ガーデニング・園芸/植物の種類と育て方

不老長寿のハーブ、「セージ」(2ページ目)

育てる、見る、食べる、香る、癒される……そんなハーブを暮らしに取り入れてみませんか?今回は、古くから薬用とされてきた「セージ」をご紹介します。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド


セージの管理の仕方

トリカラーセージ

トリカラーセージの苗

ここではコモンセージを例に、その管理方法をみてみましょう。セージは種から育てることもできますが、初めは苗からがおすすめです。間延びしていないガッシリとした、良い苗を選びます。

苗は日当たりがよく、水はけ、水持ちのよい土に植えます。酸性の土を嫌うので、地植えにする場合はあらかじめ苦土石灰で酸度調整しておき、さらに緩効性肥料を施しておきます。鉢植えで管理する場合は、元肥入りのハーブ用土を使うと手軽です。水やりは、鉢土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。

セージは、基本的には丈夫な性質の植物ですが、日本の梅雨時期のようなジメジメした気候や暑さによる蒸れには注意が必要です。梅雨前に、収穫も兼ねて混みあった部分の茎葉を切り取り、通風を良くして蒸れを防ぎましょう。盛夏には水切れにも注意が必要です。

冬は、雪や霜で葉が傷んでしまうので、降霜前に地上部を刈り込んで霜よけをしておきます。凍結の恐れがある厳寒地では、鉢上げをして軒先で管理するとよいでしょう。

セージの茎は一年目は柔らかいのですが、経年とともに木質化していきます。また鉢植えでは根が回りやすいので、根詰まりを起こす前に鉢増しをするか、挿し木などで株の更新を図ります。

セージの殖やし方

セージの種

セージの種

セージは種まきでも殖やすことができますが、発芽率が低いといわれています。ガイドがまいた種も種袋記載が60パーセントで、実際の発芽は5割程度でした。が、もちろん種から栽培することも可能です。

種まき適期は春3~4月頃か、秋9~10月頃で、発芽まで2週間ほどかかります。その間、乾かしてしまわないように管理しましょう。芽が混んでいる場合は、適宜間引きをし、本葉が3~4枚になったら植え替えます。以降は、前項の「セージの管理の仕方」に準じます。

セージの芽

セージの芽

セージは種まきのほか、挿し木で殖やすこともできます。また、ガイド記事「爽快ハーブ、タイムを楽しもう!」で紹介した、取り木の一種である「圧条(茎伏せ)」でも繁殖可能です。手軽な方法なので、ぜひ試してみたいですね。

なお種まきの基本については、「ガーデニングの種まきと植え付け」を、挿し木・取り木については、「挿し木に挑戦してみよう!」、「ビギナーズレッスンVol.6 植物を殖やすという楽しみ」をご参照ください。

 

セージの効能と利用法

セージ

セージには様々な効能がある

記事冒頭から「セージは不老長寿のハーブ」と謳っていますが、主な利用法は肉の臭み消しやハーブティーで、ティーをうがい薬として使うこともできます。

収穫は、香りの高い午前のうちに必要なだけ葉を摘み取ったり、枝透かしを兼ねて茎葉を切り取ります。生葉を利用するだけでなく、ドライにして保存することもできます。

効能としては、消化促進、健胃整腸、解熱、血圧降下、強壮、殺菌、収れん、抗酸化作用などがあります。これらの効能を見ても、風邪をひいた、消化不良でお腹の調子が悪い……など日常の「不調」に対して、万能薬的に用いられてきたことが伺えますね。また、女性ホルモンに作用する働きもあるので、月経不順や更年期障害によるほてりを鎮めるといった効果も期待できますが、妊婦さんの飲用は注意が必要です。

セージは薬効のあるハーブとしてだけでなく、美しいカラーリーフとし花壇、寄せ植えにも適しています。ガーデニングの彩りにも重宝するセージ、ぜひあなたのお庭にも取り入れてみてください。

 

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