バレエ教室・スタジオの床の種類とは?
バレエ教室の床
バレエで使われる床は2種類です。
1つはリノリウム床。
もう1つは木材の床。
今回はこの2つの床についてお話ししますね。床によって、シューズ選びも異なりますよ。こちらについてはワンポイントアドバイスをお読み下さい。
バレエの床
1. リノリウム床
2. 木材床
床によって、シューズ選びも異なりますよ。こちらについてはワンポイントアドバイスをお読み下さい。
バレエの床の種類1. リノリウム床
リノリウムは、1860年代にイギリス人のフレデリック・ウォルトン (Frederick Walton) が発明し、100年以上の歴史をもつ素材です。亜麻と呼ばれる植物の種から取れる亜麻仁油、松ヤニ(ロジン)などの樹脂類、コルク粉、顔料などを混ぜて、シート状やタイル状にしたものを指します。リノリウムは適度な弾力性があり滑りにくい素材として、バレエでも使われるようになりました。私がバレエを習っていた頃 (約20年前!) にその頃通っていた大手貸しスタジオに登場した時を今でも思い出します。それ以前は木材の床に松ヤニを散りばめて、滑りにくくしていました。リノリウムに変わったときは「滑りにくい!」とはしゃいだのを思い出します。松ヤニをつけると、バレエシューズの底が真っ黒になって、とっても汚くなります。シューズの底で松ヤニが層をなすと却って滑りやすくなるので、剥がす必要がありました。カッターやいろんな道具を使って苦労しながら剥がしていたのがとても懐かしいです。
リノリウム床は、松ヤニを使用することなく、安全に踊れるのでとっても安心な床材ですね。
◎ここでワンポイントアドバイス! 「リノリウム床に適したバレエシューズ選び」
リノリウム床は滑りにくいので、シューズは滑りやすい材質のものを選びます。レザー地を使っていないキャンバス地で出来たバレエシューズをお勧めします。床との相性バッチリです。
バレエの床の種類2. 木材床
木材床でなら桜材が適しているようです。桜材は傷が付きにくいという特徴があります。リノリウム床に比べて暖かみがありますね。リノリウム床のひんやり感はありません。その暖かみが良くて桜材でスタジオを建てる先生も多くいらっしゃいます。リノリウムに比べるとかなり滑りますので、松ヤニを使用します。スタジオによっては松ヤニが使えないところもありますので、ここは要確認ですね。松ヤニが使えない場合は濡れ雑巾で対応することになりますが、濡れぞうきんはバレエシューズには使えますが、トゥシューズには使えません。トゥシューズは糊を沢山使用しているので、水分を嫌います。バレエショップなどで、滑りにくくするグッズなどが売られています。ぜひチェックしてみましょう。
◎ここでワンポイントアドバイス! 「木材床に適したバレエシューズ選び」
木材床に適したバレエシューズは、リノリウム床とはまったく逆です。床が滑り易いので、シューズは滑りにくい材質のものを選びます。キャンバス地を使っていないオールレザー地のバレエシューズをお勧めします。
あなたのバレエ教室やスタジオではどの床材ですか? 床で選ぶシューズも変わるし、滑りにくくする対策も必要となってきますね。怪我なく安全にそして楽しいバレエライフを送るために、床とのつきあい方を少しお考えになっていただきたいと思います。
◎ここでミニ雑学!
昔のバレエ公演映像などを見ていると、床がボロボロにささくれ立っていますね。特にロシアの舞台映像はそうでした。旧ソ連時代のことですから、床をきれいにする余裕が無かったのかな? なんて思った記憶もあります。知人のロシア人ダンサーに昔のロシアの舞台床について聞いてみました。「なんであんなにささくれ立った床で踊っていたの?」 と。そしたら予想もしなかった答えが返ってきました。「あれはわざとなんだよ。ささくれ立った床じゃないと滑るからね。日本のすべすべの木材床は滑って怖いよ~。特に女性をリフトするときなんか足で踏ん張れないから、どっちも怪我する可能性大だからね。床はリノリウムじゃないと!」ですって。
ロシアの床がなぜささくれ立っていたのか、長年の私の疑問が解けてすっきりした瞬間でした。やはり経験者じゃないと分からないことって沢山ありますね。
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