京町家で上質フレンチ「ラ ファミーユ モリナガ」
「ラ ファミーユ モリナガ」の外観
京都に町家を改造したフレンチレストランは数あれど、知る人ぞ知る一流シェフの新店が、洛中のど真ん中、しかも地元の人しか知らないような路地の奥に、ついにオープン! その名は「
La famille Morinaga(ラ ファミーユ モリナガ)」。開店は2013年4月。シェフは1967年生まれ、今年46歳になられる森永正宏さんです。
シェフの経歴は以前、「
グランメゾン グラシアニ」の記事でも書きましたが、東京の「シェ・イノ」での6年間の修業を皮切りに、1993年渡仏。パリの「ギー・サヴォア(Guy Savoy)」、ロアンヌの「トロワグロ(Troisgros)」、今は閉店したスイスの「ジラルデ(Girardet)」などの綺羅星のような名店で4年間に渡り、本場のガストロシーンの真っただ中に身を置かれ、帰国後は京都や名古屋の有名レストランのシェフを歴任。2007年4月からは神戸北野の「グランメゾン グラシアニ神戸北野」の総料理長を務められていました。その後、ご自分の出身地である京都で、その名も「La famille Morinaga」(フランス語で「森永ファミリー」)というレストランを開店されたのです。
「ラ ファミーユ モリナガ」の内装
蛸薬師通の新町と西洞院のちょうど中ほど南側にある、路地と呼ぶにはかなり広い袋小路の一番奥まった左手に、築80年余りの町家は外壁を白く塗られて待っていてくれました。中に入ると、畳の代わりに木目際立つ無垢のミモザのフローリングが敷きつめられ、土足で上がることができます。正面奥には大振りの桜の枝が豪快に活けられた石の坪庭。店内にはショパンやサティのピアノ曲が庭石を濡らすようにしっとりと流れます。
二階には個室もありますが、現在は使用されていません。
テーブルは左右に3卓ずつ。左側の壁際の続きのソファ席以外は、奥様が集められた英国の60年代のヴィンテージ物の椅子が配され、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。この計12名のためだけに、現在は森永シェフがお1人で全てを調理されているのです。(2階にも将来のために個室仕様の部屋を作られていますが、現時点では1階だけの営業です)。また、支配人としてサービスされるのは長井 亨さん。グラシアニ時代に苦楽を共にされたので、チームワークは完璧です。
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