フィンランド/ヘルシンキの観光・お土産

ヘルシンキの記念碑・彫刻アート探訪〈シンボル編〉(5ページ目)

ヘルシンキ市街を歩いていると、至るところで気になる彫刻作品やモニュメントが設置されているのに目がいくのではと思います。屋外作品が進んで作られるようになったのは1800年代後半からで、現在では市立美術館が把握するだけでも400作品を超えているといいます。前回の〈偉人編〉に続き今回は、待ち合わせ場所としてもよく使われる〈シンボル編〉。街のランドマーク的存在のアート作品を一挙紹介します!

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


音楽センターの庭地で天に向かって歌い続ける、巨大な魚のモニュメント

ハウキ

全長13メートルにもなる巨大な魚のモニュメントは、とある詩の内容をモチーフに作られた作品

2011年に国会議事堂向かいに完成したヘルシンキ音楽センターの前の芝生に、さらにその翌年の2012年夏、サイズもインパクトも特大級のユニークなアート作品がお目見えしました。これは、オウル出身の現代彫刻家レイヨ・フッカネン(Reijo Hukkanen/1946-)の作品で、モチーフになっている魚は、フィンランドの食用魚としても人気の高いハウキ(Hauki=ノーザンパイク)です。

あどけない表情で口をぱかっと開けて、空に向かって朗々と歌ったり叫んだりしているように見える巨大ハウキ。フッカネンは、同じくオウル出身で20世紀前半に活躍した詩人アーロ・ヘッラーコスキの『ハウキの歌(Hauen laulu)』という詩から着想を得て、この作品を作り上げたと語っています。作品は高さ13メートル、総重量なんと49トン。通りがかった際は、ぜひ遠くからそして近くから、この渾身の巨大作品鑑賞を楽しんでみてください。

■設置場所:ヘルシンキ音楽センター(Musiikkitalo)正面
■アクセス:ヘルシンキ中央駅から北西方向へ徒歩約7分


「街にもっと色を!」カラフルでポップな熱気球アート

気球

教会のたたずむ歴史的な界隈に突如出現して市民を驚かせた、色鮮やかな気球型オブジェ作品

カッリオ地区のシンボル、カッリオ教会へと続く歩行者専用の坂道の途上に、2012年夏に突如出現した、カラフルな熱気球型のアート作品。ハカニエミ~カッリオ間を行き交うトラムの車窓からも見られるので、果たしてこれはなんだろう……と観光客だけでなく地元の人も首を傾げます。

これは、さまざまなテイストの立体作品を得意とするセイナヨキ出身の女性現代アーティスト、オーナ・ティッカオヤ(Oona Tikkaoja/1976-)が制作した「ウネルマ(Unelma=夢)」というタイトルの可動式インスタレーション作品。「街をもっと色とりどりに!」というコンセプトを実現させた、高さ10メートルにも及ぶ巨大作品で、色鮮やかなオブジェは遠くの通りを歩いていても目を引きます。また気球の内側には風によって回転するローターも取り付けられていて、内側から頭上を見上げると、まるで色とりどりの巨大万華鏡を覗いているような楽しい体験も。

なお、2013年現在はカッリオ地区のシルタサーリ通り(Siltasaarenkatu)に設置されていますが、解体や再構築が可能な作りになっているので、今後突如別の場所に移される可能性も秘めているのだとか。街なかでぱっと遭遇したら、気分もカラフルに華やぎそうですね。

■設置場所:カッリオ教会に続くシルタサーリ通り(Siltasaarenkatu)の坂の途上
■アクセス: カッリオ教会(Kallion kirkko)から徒歩すぐ


※ヘルシンキの記念碑・彫刻アート探訪〈偉人編〉はこちら
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