かもめが舞う海沿いの道を、のんびりとお散歩

海岸通

エテラ港から海岸沿いに続くプロムナードは、海辺の街ヘルシンキの穏やかな雰囲気が味わえるおすすめ散歩道。かもめが舞うバルト海を眺めながら、休憩中のおまわりさん達ものんびり日なたぼっこ


映画『かもめ食堂』を思い返してみて何といっても印象的なのは、イントロシーンや場面の合間に何度も映されていた、青い海と空の狭間の界隈をのんびりと人が行き交う……そんな穏やかな街の雰囲気そのものではないでしょうか。「あっ、この景色は映画でも見たぞ!」と所々に現れる撮影ポイントをたどりながら、まずは映画とおんなじスローな雰囲気を肌で感じられる、海辺のプロムナードをのんびり歩いてみませんか?

出発地点は、マーケットが軒を連ねるエテラ港

エテラ港

エテラ港は、青空の下に食材や民芸品のマーケットが立ち並び、活気であふれている。イチゴやベリー、えんどう豆をテイクアウトして散歩の
お供にするのが地元っ子流

イチゴ

夏の甘い国産イチゴは、散歩しながらつまむのに最適。振り回して歩いているとジャムになってしまうことも

青空散歩のスタート地点は、屋外マーケットが賑わうエテラ港。まるまると太ったかもめが映し出される映画の冒頭や、海辺でマサコさんがおじいさんから猫を預かるシーンなどが撮影されたのは、ズバリこの港。地元客と観光客が入り交じって常に活気あふれる、爽やかな港町ヘルシンキの玄関口です。

夏のハイシーズンなら、散歩を始める前にマーケットで売られているベリーやイチゴ、生えんどう豆、アイスクリームなどをテイクアウトするのもフィンランド流。より地元っ子の気分に浸りながら、街歩きを楽しめます。

かもめ

港のかもめは、容赦なく食べ物を狙ってくるので警戒が必要

ただし常に気をつけたいのは、港周辺に群がる、映画で観たとおりにしっかり肥えたかもめたち。人馴れしているため、特に好物の海産物(サーモンサンドや小魚フライなど)を手にした人を見ると、隙を突いて鋭いくちばしでかっさらっていこうとします。マーケットの食関係のお店の上にはかもめ避けネットが貼ってあるので、その下が、テントの中で飲食するのが無難です。かもめが近づいてきても、餌付けは厳禁ですよ!

カイヴォ地区を目指して、海沿いをずんずん南下

プロムナード

ヘルシンキ大聖堂を背に海沿いの道を南下すると、やがて静かな並木道へとつながる

賑やかな港のマーケットを後にして、常に海を左側に見ながら、振り返ればヘルシンキ大聖堂の見えるエテラランタ(Eteläranta)通りをどんどん南下していきましょう。ストックホルム行きのフェリー・シリアラインの発着場を過ぎると、緑の並木が続くプロムナードへ。海には小さな島々がぽこぽこと浮かんでいて、海風がとても気持ちいい、風光明媚なエリアです。

カイヴォ公園

広大なカイヴォ公園は、夏場は絶好のピクニック地、冬はそりすべりの人気スポット

このあたりのカイヴォ(Kaivo)地区は、もともとロシア人の保養地としてスパなどが建設され賑わっていたリゾートエリア。今は閑静な住宅街と広大な緑地公園に様変わりしています。少しプロムナードから反れて内陸に向かうと、緑が美しいカイヴォ公園に立ち寄ることができます。

カイヴォ公園は、こちらで紹介したようにピクニックのホットスポット。一番高い丘陵の上には小さな天文台もあり、そこからの雄大なバルト海の眺めは感動的ですよ。

 


テラス席からの景色に見覚えが! 到着地はカフェ・ウルスラ

カフェ・ウルスラ

突き出たテントが印象的な、人気の海辺カフェ。映画の登場人物たちがサングラスでくつろいでいたカフェは、まさにここ

プロムナードの行き着く先には、見覚えのあるテラス席のカフェが。この海沿いの一等地に建つカフェ・ウルスラ(Café Ursula)は、映画の中で日本人お三方とフィンランド人女性客が、定休日にリゾート気分でくつろぐシーンに出てきたオープンカフェ。海沿いの散歩客が吸い寄せられるように足を伸ばしてしまう、地元の人にも大人気のカフェ・レストランです。陽光のまぶしい昼間だけでなく、日没時間や夜間にも海辺ならではのロマンチックなひとときが楽しめます。

<DATA>
■Café Ursula, Kaivopuisto(カフェ・ウルスラ・カイヴォプイスト)
住所:Ehrenströmintie 3, 00140 Helsinki
TEL:+358 9 652 817
アクセス:エテラ港から徒歩約30分
営業時間:毎日9:00~21:00(月・火・日曜は~20:00)
定休日:なし

夏のヘルシンキ沿岸名物、マット洗い場も要チェック!

マット洗い場

海辺に干されたカラフルなラグマットは、フィンランドの夏の風物詩

夏場であれば、カフェ・ウルスラからさらにもう一足伸ばせば、沿岸部に何やらたくさんのラグマットが干されている奇妙な光景に出会えます。ここは、ヘルシンキ市が市民に提供する「ラグマットの洗い場」。ヘルシンキ湾の海水は塩分濃度がとても低いため、このように洗濯用水にも使えてしまうのです。

家の玄関や通路に敷かれたラグマットをきれいにするのは、フィンランド人の夏の恒例行事。洗い場のそばには巨大な手動脱水機もあり、使用中の光景はなかなか圧巻です。

次ページでは、サチエさん御用達のハカニエミ屋内マーケットに潜入!