フィンランド/ヘルシンキの観光・お土産

『かもめ食堂』ロケ地めぐりの楽しみ方(2ページ目)

映画『かもめ食堂』をきっかけにフィンランドという国を知った、どっぷりハマった……という人は少なくないはず。『かもめ食堂』ロケ地めぐりは、今やヘルシンキ観光の定番コース。ロケ地情報も本やネットにあふれていますが、ただスポットに立ち寄るだけで満足するのはもったいない!そこで、撮影地のロケーションを紹介するだけでなく、より映画の空気を味わうための楽しみ方についてもアドバイスを加えてみました。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


人情味あふれるフィンランドの商店街、ハカニエミ屋内マーケット

ハカニエミマーケット八百屋

活気いっぱいの屋内マーケットは、地元客であふれる街の台所。店員さんとの会話を楽しみながら、納得いくものを買い求めることができる

映画のなかでは何度か、サチエさんやミドリさんのマーケットでの買い物シーンが映されていましたが、特に屋内マーケットシーンの撮影地として使われたのが、ハカニエミ地区で1914年から続く老舗のマーケットホール(Hakaniemen kauppahalli)。

マーケットホール

地下鉄やトラムのハカニエミ駅を出ると、マーケットホールは目と鼻の先に

ベイエリアのハカニエミ地区は、地下鉄やトラムでも楽にアクセスできますが、中央駅付近からのんびり散歩しながらでも20分もあれば到着。屋内・屋外それぞれの広大なマーケットを中心に、周囲には賑やかなお店や労働者会館、アジアンショップなどもたくさん並ぶ、活気あるエリアです。

そんな界隈に佇むマーケットホールの内部に広がるのは、いわばフィンランド版の古き良き商店街。仕切りなしにひしめくお店一軒ずつが、それぞれの流通ルートや個性を持った自営業店で、店員さんたちは、周辺のお店のスタッフ同士やお客さんとのコミュニケーションをとても大切にしています。人情あふれるマーケットでのショッピングは、思い出に残る温かなエピソードも生まれやすいもの。言葉の壁を恐れず、ぜひ気さくな店員さんとの交流も楽しむよう心がけてみてください。

1階は、新鮮な素材や食品が一堂に会した街の台所

お肉売り場

マーケットホールの1階は、おもに食材屋さんがずらりと並ぶ。肉売り場には、豪快な豚足や新鮮なトナカイ肉なども

マーケットホールは2階建で、やや複雑で迷いやすいL字型の構造。1階には、肉・魚・野菜などの生鮮品から、自家製パン・ケーキ屋、ピクルスやスパイスの専門店、コーヒーやお茶などの嗜好品を扱うお店など、さまざまな食材店がジャンルごとにずらりと並んでいます。

パン屋さん

つい足を止めてしまう、甘い香りに包まれたパン・ケーキ屋さんが並ぶ一角。わずかながらカフェ席を用意している店舗も

さすがに観光者が生肉や生魚を買う機会はないかもしれませんが、フィンランドならではの新鮮トナカイ肉や頭付きサーモンに出くわせばついテンションもアップ!

パン屋やケーキ屋が並ぶ一角からは、フィンランド人が日常的によく食べるライ麦パンの塊をはじめ、お馴染みのシナモンロールなどさまざまなプッラ(pulla:菓子パン)やタルトの甘い香りが鼻をくすぐってきます。 カフェと言えるほどではないですが、2,3席飲食席を設けているお店もあり。

 

コピ・ルアック

コーヒー専門店で、映画に出てきたあの魔法の言葉のコーヒーを発見!

お土産にも最適なのは、コーヒー豆やパッケージもかわいい紅茶のパック、無添加で自然な味わいが楽しめるボトル入りのハチミツやジャム、ユニークなデザインのチョコレートなどなど。意外かもしれませんが、スパイス類や、ドライフルーツ、ピクルスなどの各種保存食も、フィンランドの食卓に欠かせない味。乳製品大国なので、チーズも種類豊富です。これらもツウなお土産になりそうですね。

 

サーモンパイ

脂のたっぷりのったサーモンパイは、フィンランドの軽食の定番!

また、1階にはイートインできる店舗もいくつかあり、新鮮なサーモンの乗ったパイや、ボリュームたっぷりのスープなど、目移りする魅力的な食べ物にあふれています。というわけで、1階にはお腹を空かせて赴くのが正解かも。朝早くから営業しているので、早起きして朝の散歩がてら立ち寄って、マーケット内で朝ごはんにありつくというのもおすすめプランです!

 

2階は、キュートな民芸品や洋品店がひしめく買い物天国

2階

手芸店や木工芸品、古本屋など、魅力的な日用品のお店がいっぱいなので、つい一軒一軒でじっくり足を止めてしまう

毛糸屋

冬に多くの人が手をつける編み物。あらゆる色の毛糸や道具が揃う

エスカレーターを上がって2階に到着すると、そこは打って変わって日用品の専門店がいっぱい!路面店とはやや趣きの異なるマリメッコの小さなショップもあれば、各種手芸用品店、アンティークショップ、古本屋、絵はがき屋、アロマ用品専門店、地元の人がプレゼント探しに必ず立ち寄る雑貨屋さんなどなど……。数々の個性的なお店の前では、ついその都度足を止めて物色にふけってしまいます。

 

白樺の工芸品

白樺の樺の表面に素敵な詩や祝辞が書かれた、贈り物にも喜ばれる民芸品

2階のお店の店主さんたちは、終日慌ただしくしている食材店の人たちよりも、のんびりマイペースに接客してくださる人が多いのも特徴。商品について何か尋ねれば期待の何倍もの返答や情報がもらえたり、奥からさらに秘蔵商品を出してきてくれたりと、こちらが意欲的な姿勢を見せるほど、どんどん会話や交流がはずんでいきます!

また2階唯一のカフェは、前大統領のタルャ・ハロネンさん御用達の席があるカフェとしても有名。観光者や市民はもちろん、要人までもが気軽に足を運ぶほど、昔ながらのマーケットはあらゆる人々の暮らしに根付いた大切な場所なのですね。

<DATA>
Hakaniemen kauppatori(ハカニエメン・カウッパトリ)
住所:Hakaniemen kauppahalli, 00530 Helsinki
アクセス:地下鉄、トラム「Hakaniemi」駅下車すぐ
営業時間:月~金曜8:00~18:00、土曜8:00~16:00
定休日:日曜日
※独自の営業時間がある店舗もあり
※2018年1月から2019年9月ごろまで建物の改修工事が行われるため、期間中は立入禁止になります

次ページでは、ミドリさんとサチエさんの出会いの場となった、国内最大の本屋さんと併設カフェをご紹介!
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