どこまで本気? ユニークな世界選手権の代表格、奥様運び選手権

奥様運び

できるだけ抵抗の少ないスタイルで奥さんを担いだ男性が、闘志あらわに障害物レーンのゴールを目指す奥様運び選手権。れっきとした真剣勝負の場だけに、想像以上の熱いロマンを目の当たりにするかも?

日本でも近年、フィンランドを語る切り口として「奇妙な世界選手権が多い」という話題がしばしばのぼるようになってきました。サヴォンリンナで8月中旬に開催される携帯投げ世界選手権、オウルにて8月下旬に開催されるエアギター世界選手権など、なるほど確かに、夏のフィンランドでは「どこまで本気なの?」と尋ねたくなるような、発想のユニークな世界選手権を名乗るイベントがたくさん開催されています。そして呆れながらもそのお祭り騒ぎをひと目見るために、あるいはひと夏の思い出にと思い切って参加するために、世界中からの多くの観光客が訪れるのもまた事実。

会場

世界選手権と言えども、小さな街の学校施設や競技用トラックを貸しきって行われるためとてもアットホームな雰囲気

1992年に始まって以来7月上旬に開催され続けている、奥さんを担いだ男性が、全身全霊で障害物レースを競うという「奥様運び世界選手権」もその代表格といえるでしょう。開催地は、湖水地方中部の小さな田舎街ソンカヤルヴィ(Sonkajärvi)。

一大世界選手権とはいえ、学校施設や競技用トラックを貸しきって行われるというアットホームさもまた魅力のひとつ。開催当日には、朝から会場内にずらりと露店や伝統工芸の実演販売ブースなどが並び、体育館でライブイベントも行われるなど、まさに街を上げてのお祭りムードが漂います。

 

ルールはシンプル。奥さんを担いで全力でゴールを目指すのみ!

エストニアンスタイル

夫への抵抗や負荷が一番少なく、好タイムが出せると人気の担ぎ方「エストニアンスタイル」

奥様運び選手権のルールは至ってシンプル。パートナー(必ずしも夫婦やカップルでなくてもOK)のうち男性が女性を一番楽な方法で担ぎ、障害物レーンを疾走してゴールを目指す、ということに尽きます。ただし女性は、17歳以上で最低体重は49キロと決められているので、それに満たない場合は重りを装着して補充します。

ハードル

障害物をどれだけスムーズに切り抜けられるかが勝負の肝

女性の担ぎ方は、地面につかない限りはおんぶもだっこもOKのフリースタイル。ただし近年は「エストニアンスタイル」と呼ばれる、男性の胴を抱えた女性の両足を肩で担ぐスタイルが、もっとも負荷が少なく好タイムが出せるとして大人気。本気で優勝を目指すカップルの多くがこのスタイルでレースに挑みます。

全長253.5メートルの障害物レーンには、丸太のハードルのほか水深1メートルほどのプールが設置されていて、ここでどれだけタイムロスを防げるかが勝負のカギ。ただしここで男性に背後の奥さんへの労りがないと、頭を打ち付けたり大きく水を被るリスクがあるので注意と愛情が必要です。

 

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では、レースや会場の見どころと楽しみ方をご紹介!