サルミアッキ=世界一まずい飴かどうかは、自分の舌で試す価値あり!?

サルミアッキ

フィンランド人が大好きなサルミアッキといえば、定番はハードグミキャンディだが、その他にもチョコレート、アイスクリーム、リキュールなどさまざまな商品が出まわっている

これまでにどこかで一度は、フィンランドには世界一まずい飴がある……という不穏な噂を耳にしたことがあるのではないでしょうか。その名も、サルミアッキ(Salmiakki)。れっきとしたフィンランド人たちのソウルフードのひとつで、おやつ感覚で口寂しいときにポイポイとつまむのが習慣化しています。怪しく黒光りするビジュアル、顔を近づけるだけで鼻腔に突きぬけてくる特有の刺激臭、そして何といっても、一度舌に乗せたらトラウマになりそうな、未知なる複雑な風味と後を引くしょっぱさ……。人の好みは人それぞれ、に違いはありませんが、それにしてもこのサルミアッキを初めて口にした瞬間から美味しい!と感じる外国人は、現実的にそう多くはいなさそうです。

お店

ごく普通規模のスーパーでも、サルミアッキのラインナップはこの通り

とはいえ、まずいまずいという前評判を聞くほど一度は試したいという気が起こってくる人、あるいはフィンランド旅行のネタとしてお土産に購入してみたいと企んでいる人も少なくないのでは。正直に言って、冗談の通じる友人知人以外には、迂闊にサルミアッキをお土産としてあげることはオススメできません。まして気難しい上司や取引先のお相手にはもってのほか。

それでも果敢なる挑戦を考えている皆さんの警戒心が少しでも和らぐように、サルミアッキの歴史とその味の正体、さまざまなサルミアッキ関連商品の難易度などの情報をまとめてみました。何度も言うように人の味覚はそれぞれなので、どこまで参考にするかはあなた次第ですが、傾向と対策として、少しでも役立ててもらえれば幸いです。

 

サルミアッキの正体は、塩化アンモニウム+リコリス

サルミアッキ特徴

サルミアッキの特徴といえば、真っ黒なビジュアルに特有の刺激臭、そしてリコリスの風味と塩化アンモニウムのしょっぱさ

ではそもそもサルミアッキの強烈な味の正体はなんなのでしょうか。実は、サルミアッキという言葉自体が意味しているのは、なんと無色無臭のしょっぱい化学物質、塩化アンモニウムのこと。ラテン語のSal Ammoniac(アモンの塩)という言葉が起源と言われています。塩化アンモニウムは通常、肥料や医薬品、膨張剤などとして使われるものですが、歴史の中で、北欧諸国と盛んに交易していたオランダがフィンランドをはじめ北欧各国にこの塩化アンモニウムを輸出したのがきっかけとなり、どういうわけかその後嗜好品として北欧の人々が日常的に口にするようになってしまったのです。

今日の世界を見渡しても、この塩化アンモニウムを口から積極的に摂取するのは、フィンランド人や北欧諸国の人びと、そしてオランダ周辺の人々に限られるようです。必ずしも大量摂取が身体に良いものとは言えないので、2012年にはEUが摂取を制限しようともしましたが、その条例はすぐに跳ね返されてしまったといいます。

白サルミアッキ

ただし中には、白い粉砂糖でコーティングされた紛らわしいサルミアッキ商品もあるのでご注意を!

いっぽう、塩化アンモニウムのしょっぱさとともに、サルミアッキ特有の刺激臭と風味を醸し出しているのは、リコリス(Lakritsi/ラクリッツィ)と呼ばれる甘草の根成分から抽出されたエキス。このリコリスの風味自体は、北欧に限らず欧米諸国で広く親しまれているものです。けれどそこに塩化アンモニウムのしょっぱさを足してしまった北欧テイストには、さすがにアメリカ人も理解に苦しむのだとか。フィンランド国内でも、一見サルミッキと見た目は変わらなくても、実際は塩化アンモニウム成分を含まないリコリス菓子も比較的出回っています。

なお、サルミアッキやリコリス菓子のトレードカラーでもあるどす黒い色は、伝統的にカーボンブラックと呼ばれる着色剤によって付加されているものです。

次ページでは、マーケットで手に入るバラエティ豊かなサルミアッキ商品を難易度別に紹介!