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「2019年問題」 日本の世帯総数は2019年から減少へ(2ページ目)

住宅市場では「2019年問題」が新たな懸念材料となりつつあります。日本の世帯総数が2019年をピークに減少に転じることで、以後、住宅需要も減少し、住宅不況を招かないか不安視されています。すでに人口総数が減少し始めている中で、さらなる打撃を受けかねません。一体、どう対処すればいいのか、不動産各社の動きが気になります。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

賢いマンション暮らしガイド


世帯総数が2019年でピークアウトする「2019年問題」 住宅市場へも大打撃 

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世帯総数の減少により、住宅市場の規模縮小が懸念される。

昨年2012年、オフィス市場では「2012年問題」が懸念されました。東京圏の賃貸オフィスビル市場では2012年、新築のオフィスビルが大量に新規開業したことで、需給バランスが不均衡となり、空室率の悪化や賃料の値下げが心配されました。これが2012年問題です。

思い返せば、これまでも事あるごとに「○○年問題」が持ち上がりました。コンピュータが西暦2000年を1900年と誤認してしまい、処理が続行できなくなるというIT業界の「2000年問題」。団塊世代の人々がこぞって定年退職の時期を迎えることで、技能の伝承や労働力不足が懸念される「2007年問題」など、“課題先進国”日本には、常にいくつもの諸問題が内在しています。

本稿のテーマである「2019年問題」とは、わが国の世帯総数が2019年でピークアウトし、その後は減少に転じることで、同時にマイホーム需要も減少し、住宅不況が到来するのではないかという問題です。国立社会保障・人口問題研究所が今年1月に公表した「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によると、日本の世帯総数は2019年の5307万世帯でピークを迎え、2035年には4956万世帯まで減少すると推計されています(下図参照)。

日本の世帯数の将来推計

 

ご存じのように、すでに日本の総人口は減少を始めており、2035年には1億909万人にまで減ると推計されています。それでも世帯総数が増加していたおかげで、市場規模の過度な縮小は抑制されてきました。しかし、この“最後のとりで”とされる世帯総数が2019年にピークを迎えることで、住宅市場は本格的な「縮小マーケット時代」に突入します。サバイバル時代を迎え、顧客争奪戦はさらなる熾烈さを極めます。

「縮小マーケット時代」を見据え、不動産各社、買収や統合の動きを加速させる 

こうした市場の変化を見据え、不動産各社は動きを加速させています。今年3月中旬、ライオンズマンションの「大京」が「穴吹工務店」の全株式を307億円で取得し、子会社化すると発表しました。また、昨年12月には「一(はじめ)建設」「飯田産業」「東栄住宅」「タクトホーム」「アーネストワン」「アイディホーム」のパワービルダー6社が2013年11月に経営統合することで基本合意に達したことを発表しました。

さらに、「大和ハウス工業」が準大手ゼネコン「フジタ」の株式を取得し、買収に動いています。「興和不動産」と「新日鉄都市開発」が経営統合し、2012年10月からは「新日鉄興和不動産」として始動しています。異色な組み合わせとしては、家電量販店の「ヤマダ電機」が中堅住宅メーカーの「エス・バイ・エル」を株式公開買い付けで連結子会社化しました。

いずれも、根底にあるのは企業競争力の強化です。サバイバル市場を勝ち抜くには、買収や統合で事業規模を拡大したほうが市場での優位性を確保しやすくなります。規模の利益を追求するにもプラスの効果が期待できます。来るべき「2019年問題」を先取する形で、不動産各社は動き始めています。6年後(2019年)には新たな業界地図が出来上がることでしょう。
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