世界遺産/中国の世界遺産

敦煌・莫高窟/中国(4ページ目)

莫高窟は文化遺産の登録基準1~6をすべて満たす3物件のひとつで、すべてが世界遺産である中国三大石窟の中で最大規模を誇る「キング・オブ・世界文化遺産」。1,000年にわたって築かれた492の石窟の内部は極彩色の壁画と仏像で彩られており、魏晋南北朝時代から元代まで、時代時代の美が凝縮されている。今回は中国の世界遺産「莫高窟」を紹介する。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

莫高窟への道

陽関の烽火台跡

陽関の烽火台跡。漢代・唐代の西端で、詩人・王維は「西のかた、陽関を出づれば故人無からん(陽関を出たら友人もいなくなるだろう)」と詠んだという ©牧哲雄

■エアー&ツアー情報
嘉峪関

明代の長城の西端の関城、嘉峪関。その造りはまさに城 ©牧哲雄

敦煌は中国の首都・北京から1,800kmほどもある。飛行機で敦煌空港に入る場合は北京や西安など、中国の諸都市を経由する。ツアーは7日間20万円前後から。北京や上海から特急電車で30~40時間ほどかけて訪れることもできる。

■周辺の世界遺産
先述したとおり、敦煌から訪ねられる玉門関は世界遺産「シルクロード:シルクロードの始点、天山回廊の道路網」の構成資産。

また、敦煌から約300km、バスで4~5時間の位置にある嘉峪関(かよくかん)は世界遺産「万里の長城」の一部でもある。明代の長城の西端で、防衛拠点として大きな役割を果たし、「天下第一雄関」の異名をとる。近くには懸壁(けんぺき)長城などもあり、北京で見る石の長城とはまったく異なる姿が楽しめる。

 

莫高窟のベストシーズン

地平線

地平線の彼方へと続く一本道。紀元前の時代から、このシルクロードを通って多くの旅人が行き来した ©牧哲雄

陽関の烽火台跡

これも陽関の烽火台跡 ©牧哲雄

ゴビ砂漠に位置する敦煌の降水量は非常に少なく、年間の降水量を合わせても、東京でもっとも雨の少ない12月の月間降水量に及ばない。

季節は日本と同じ。夏の平均最高気温は33度前後、冬の平均最低気温は-1度程度。気温は不安定で、夏40度を超えることもあるし、冬-10度を下回ることもある。砂漠なので温度差が激しく、夏は東京より暑く、冬は寒い。1日でも寒暖の差が激しく、夜は昼より15~25度ほど気温が下がる。

砂漠は灼熱と酷寒を避けて春か秋がベストシーズンになるものだが、敦煌の春は砂嵐のシーズン。そのため一般的には9~10月がベストシーズンといわれる。

 

世界遺産基本データ&リンク

鳴沙山の夜

鳴沙山の夜。砂漠は音を吸収し、神秘的な静寂が夜空を包み込む ©牧哲雄

玉門関

ロマンを感じさせる玉門関。西へと思いを馳せずにはいられない ©牧哲雄

【世界遺産基本データ】
登録名称:莫高窟
Mogao Caves
国名:中国
登録年と登録基準:1987年、文化遺産(i)(ii)(iii)(iv)(v)(vi)

【関連サイト】

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