水墨画が似合う小さな桃源郷 西逓・宏村

宏村と南湖

西逓の北20kmにある宏村の、明・清時代の家並みと南湖。白と青の淡い色彩がとても美しい

中国最高の名山・黄山の麓にたたずむかわいらしい村落、西逓と宏村。西逓は桃源郷を思わせるのどかな景色から「桃花源里人家」といわれ、宏村は水墨画のような美しさから中国中から人々が写生に訪れる「中国画里郷村」と呼ばれて愛されている。

今回はいまなお残る明・清代の街並みが美しい中国の世界遺産「安徽南部の古村落 - 西逓・宏村」を紹介する。

中国十大名鎮、西逓と宏村

宏村南湖の石橋

村の入り口へと続く宏村南湖の石橋。桃源郷と間違えられるだけある美しい景色

宏村の家並みと水路

宏村の家並みと水路。水路は約400年も前のもの

2000年、中国人にさえほとんど知られていない辺境の村が世界文化遺産に登録された。村の人々は昔ながらのつつましい暮らしを続けていて、かつての繁栄を物語る白壁の独特な住居が立ち並び、周囲の美しい山々の景色とあいまって、まるで桃源郷のようだと称えられた。

2005年、中国中央テレビが2万以上もある中国の村落(鎮)の中から、特に魅力的な「十大名鎮」を発表した。ここでも見事選ばれたのが、安徽省(エンフィシェン:あんきしょう)のふたつの村落、西逓(シーディ:せいてい)と宏村(ホンツゥン:こうそん)だ。

ふたつの村がある安徽省黄山市イ県(イは黒偏に多。イーシェン:いけん)はそのほとんどがいまだに非開放地区。その代わり500年以上の歴史を誇る昔ながらの家並みと、中国の美しい田園風景を楽しむことができる。