世界遺産に登録されるための条件のひとつに「登録基準」がある。登録基準は文化遺産に6つ、自然遺産に4つが記載されており、世界遺産になるためには計10ある登録基準の少なくともひとつをクリアしなければならない。

当然たったひとつの登録基準しかクリアしていない世界遺産もあれば、最多で7つもの登録基準を満たす世界遺産もある。今回は文化遺産・自然遺産それぞれの登録基準をすべて満たす世界遺産を紹介しよう。

なお、登録基準についてはいまさら聞けない世界遺産の基礎知識を参照。世界遺産は、世界遺産名、国名、登録年(拡大登録年)、登録基準の順に表記した。

もっとも多くの登録基準を満たす世界遺産

タスマニアデビル
世界でタスマニア島にしか生息しない、絶滅危惧種のタスマニアデビル。
文化遺産・自然遺産あわせて10ある登録基準のすべてを満たす世界遺産はいまのところ存在しない。ではもっとも多くの登録基準を満たす世界遺産はなんだろうか?

最多記録は下記のふたつの世界遺産で、7つの登録基準をクリアしている。なお、下記の世界遺産の詳細は次ページ以降で紹介する。

  • 泰山:中国、1987年、文化遺産(i)(ii)(iii)(iv)(v)(vi)、自然遺産(vii)
  • タスマニア原生地域:オーストラリア、1982年、1989年、文化遺産(iii)(iv)(vi)、自然遺産(vii)(viii)(ix)(x)

6つの登録基準をクリアする世界遺産は4つ。そのうち3つが文化遺産の登録基準6つをすべて備える世界遺産なので、3つについては次ページ以降で紹介しよう。残りのひとつが以下の世界遺産だ。ちなみに、5つの登録基準をクリアする世界遺産となると、一気に30を超える。

■アトス山
ギリシア、1988年、文化遺産(i)(ii)(iv)(v)(vi)、自然遺産(vii)
海から一気に2,033mまで切り上がる断崖絶壁の岬で、岬全体が東方正教会の聖山として中世より崇められている。修道士たちが昔ながらの修行を行っており、入山は女人禁制で男性も許可書が必要など厳しく制限されており、当時の文化と手つかずの自然がそのまま残されている。

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