世界遺産にもトレンドがある。ここ数年世界遺産はもちろん、国内でも注目度が高まっているのはなんといっても「文化的景観」だ。

ところで文化的景観っていったいなんだろう? 今回は新しい文化財の概念である「文化的景観」について解説しよう。代表的な文化的景観リストつき!

文化遺産のトレンド、文化的景観(Cultural Landscape)

青岸渡寺と那智の滝
日本ではじめて文化的景観として認められて世界遺産となった「紀伊山地の霊場と参詣道」登録の那智山青岸渡寺と那智の滝。
ここ数年、新しい世界遺産で目立つのが「文化的景観」だ。

たとえば日本の世界遺産では2004年登録の「紀伊山地の霊場と参詣道」、2007年登録の「石見銀山遺跡とその文化的景観」、2008年に推薦して登録延期となった「平泉-浄土思想を基調とする文化的景観」、さらに暫定リストの「富士山」や「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」も文化的景観を前面に押し出している。

文化的景観っていったいなんだろう?

文化的景観という概念が世界遺産に持ち込まれたのは1992年の「世界遺産条約履行のための作業指針」から。さらに1994年の「世界遺産一覧表における不均衡の是正及び代表性・信頼性の確保のためのグローバルストラテジー」で、ユネスコは新たに目を向けるべき文化遺産として「産業遺産」「20世紀建築」と並んで「文化的景観」を挙げた。

以来文化的景観は一種のトレンドとなり、日本国内でも2005年4月に文化財保護法を改正。文化財を6つの種別に分け、「有形文化財」「無形文化財」「民俗文化財(有形、無形)」「記念物(史跡、名勝、天然記念物等)」「伝統的建造物群」と、これらに並んで「文化的景観」を取り入れた。