フィンランドのジャガイモは、日本人にとっての白ご飯のような存在
どんな料理にも必ず添えられてくるジャガイモは、日本人にとっておかずの横にないと落ち着かない白ご飯と同じ存在だ
極北の大地で捕れるジャガイモは種類も豊富。とりわけ7月頃から出回る新ジャガのうまさは格別!
ディルと一緒にゴロッと茹でただけのイモ(keitetyt perunat/ケイテトュト・ペルナト)だったり、マッシュポテト(perunamuusi/ペルナムーシ)だったり、刻んで炒めてあったり(paistetut perunat/パイステトゥト・ペルナト)……と、メインディッシュと一緒に出てくるイモの調理法のバリエーションも豊か。基本的にその料理にぴったりの調理法で添えられていますが、客が調理法をチョイスできる場合もあります。また、ジャガイモをメインにした代表料理としては、「ヤンソンさんの誘惑(Janssonin kiusaus/ヤンソンニン・キウサウス)」というユニークな名前がつけられたグラタンのようなクリーミーなオーブン料理や、ソーセージや玉ねぎなどと一緒にたっぷりの角切りイモを炒めた「プュッティパンヌ(Pyttipannu)」などが有名です。
森の恵み、食用キノコはパイやスープ、ソースの隠し味に欠かせない!
秋に収穫し乾燥保存しておいたキノコを家庭でもたっぷり使って、パイを焼いたりステーキソースにしたり
アンズ茸は、黄金色に輝いているので森の中でも目につきやすい
キノコ自体がメイン素材に抜擢されることは少ないですが、ステーキのクリームソースに、パスタやスープに、パイの上に……と、さまざまな料理でふんだんに使われ、素朴な自然の味わいを大切にするフィンランド料理に豊かな風味づけをしてくれます。
ちょっと意外? フィンランド人はピクルスがお好き
はちみつとサワークリームとピクルス、という想像のつかない取り合わせも、チャレンジしてみると病みつきになったという人も多い
ジャガイモが白ご飯なら、ピクルスはまさにお漬物。なるほど確かに、こってりとしたメインディッシュの箸休めには、爽やかな酸味のピクルスが相性抜群! 前菜として盛り合わせが用意されていることもあり、はちみつ(hunaja/フナヤ)とサワークリーム(sumetana/スメタナ)を合わせたディップにつけていただくキュウリのピクルス(suolakurkut/スオラクルクト)は、ハマれば癖になる通な前菜メニューです。
森の恵みのベリーは、デザートだけでなく肉の上にもトッピング
ユーストレイパと呼ばれる不思議な食感の温かいチーズデザートには、クラウドベリーのソースをたっぷりかけて食べるのが定番。写真はラップランド料理レストラン、Ravintola Saagaで味わえるユーストレイパ
レストランで味わうデザートとして、メニューにあれば是非試してみてほしいのが、ユーストレイパ(juustoleipä)と呼ばれるラップランド地方のチーズケーキ。ケーキといっても出されるときは生暖かく、キュッキュと音がたつぐらい独特の歯ごたえを持っていて、日本のはんぺんに近い食感といえるかも。ユーストレイパは、鮮やかなオレンジ色をしたクラウドベリー(lakka/ラッカ)の実やジャムをたっぷりかけて食べるのが定番です!
※最終ページでは、レストラン全般で通用するルールやマナーと、お待ちかねのおすすめレストランリストをご紹介!