フィンランド/ヘルシンキのグルメ・レストラン

ヘルシンキのレストランとおすすめフィンランド料理 (3ページ目)

数あまたあるヘルシンキのお店から厳選した、とっておきのレストラン8軒をご紹介します。決め手は、フィンランド料理ならではの食材やテイストが楽しめて、しかもお店の雰囲気やストーリーが魅力的であること。いずれも現地人はもちろん、在住日本人からの評判も高いお墨付きレストランばかりです。まずはぜひ現地で味わってほしいフィンランドならではのメニューや、トナカイや熊、魚などの食材、レストランマナーをここで予習!

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


フィンランドのジャガイモは、日本人にとっての白ご飯のような存在

付け合せのいも

どんな料理にも必ず添えられてくるジャガイモは、日本人にとっておかずの横にないと落ち着かない白ご飯と同じ存在だ

レストランでメインディッシュを頼むと、必ずプレートに付け合わせとして添えられるのがジャガイモ(peruna/ペルナ)。そう、フィンランド人にとってのジャガイモというのは、いつでもおかずの横にないと落ち着かない、日本人にとっての白ご飯と同じ存在なのです!

ジャガイモ

極北の大地で捕れるジャガイモは種類も豊富。とりわけ7月頃から出回る新ジャガのうまさは格別!

育つ作物も限られてしまう、冬の寒さ厳しい極北の大地で大量に収穫されるジャガイモは、茹でイモ用、スープ用ととにかく味も種類も豊富で、マーケットに行っても知識がなければ選べないほど。とりわけ7月頃から出回り始める、小さくてコロコロとかわいい新ジャガ(uusi peruna/ウーシ・ペルナ)は、フィンランド人誰もが心待ちにしている旬の味覚で、ただ塩茹でするだけでも絶品!

ディルと一緒にゴロッと茹でただけのイモ(keitetyt perunat/ケイテトュト・ペルナト)だったり、マッシュポテト(perunamuusi/ペルナムーシ)だったり、刻んで炒めてあったり(paistetut perunat/パイステトゥト・ペルナト)……と、メインディッシュと一緒に出てくるイモの調理法のバリエーションも豊か。基本的にその料理にぴったりの調理法で添えられていますが、客が調理法をチョイスできる場合もあります。また、ジャガイモをメインにした代表料理としては、「ヤンソンさんの誘惑(Janssonin kiusaus/ヤンソンニン・キウサウス)」というユニークな名前がつけられたグラタンのようなクリーミーなオーブン料理や、ソーセージや玉ねぎなどと一緒にたっぷりの角切りイモを炒めた「プュッティパンヌ(Pyttipannu)」などが有名です。

森の恵み、食用キノコはパイやスープ、ソースの隠し味に欠かせない!

キノコ料理

秋に収穫し乾燥保存しておいたキノコを家庭でもたっぷり使って、パイを焼いたりステーキソースにしたり

夏から秋にかけて、フィンランドの森からは種類豊富な食用キノコ(sieni/シエニ)がどっさりと収穫されます。代表的なものでは、映画『かもめ食堂』にも登場した黄金色の花弁のようなアンズ茸(kantarelli/カンタレッリ)や、イタリア料理でもお馴染みポルチーニ茸(herkkutatti/ヘルックタッティ)、スッピロヴァハヴェロ(suppilovahvero)という舌を噛みそうな名前のキノコなど。

アンズ茸

アンズ茸は、黄金色に輝いているので森の中でも目につきやすい

フィンランドでは、誰がどこの森からキノコやベリーを摘んでも大丈夫という自然の平等享受権が守られているので、シーズンには多くの人が自ら森に分け入り、乾燥・冷凍保存用も含めて一年分のキノコやベリーを摘みにゆくのです。

キノコ自体がメイン素材に抜擢されることは少ないですが、ステーキのクリームソースに、パスタやスープに、パイの上に……と、さまざまな料理でふんだんに使われ、素朴な自然の味わいを大切にするフィンランド料理に豊かな風味づけをしてくれます。

ちょっと意外? フィンランド人はピクルスがお好き

ピクルス

はちみつとサワークリームとピクルス、という想像のつかない取り合わせも、チャレンジしてみると病みつきになったという人も多い

メインディッシュの上やプレートの横に、ジャガイモと一緒に添えられていることが多い定番付け合わせメニューのひとつが、キュウリ(kurkku/クルック)やビートルート(punajuuri/プナユーリ)、カボチャ(kurpitsa/クルピツァ)などの野菜のピクルス(pikkelssi/ピッケルッシ)。あまりイメージにないかもしれませんが、実はフィンランド人はピクルスが大好き! スーパーに行けば、瓶詰めや量り売りで大量のピクルスが売られているのを目にしますし、自家製ピクルスを漬ける家庭も少なくありません。

ジャガイモが白ご飯なら、ピクルスはまさにお漬物。なるほど確かに、こってりとしたメインディッシュの箸休めには、爽やかな酸味のピクルスが相性抜群! 前菜として盛り合わせが用意されていることもあり、はちみつ(hunaja/フナヤ)とサワークリーム(sumetana/スメタナ)を合わせたディップにつけていただくキュウリのピクルス(suolakurkut/スオラクルクト)は、ハマれば癖になる通な前菜メニューです。

森の恵みのベリーは、デザートだけでなく肉の上にもトッピング

ユーストレイパ

ユーストレイパと呼ばれる不思議な食感の温かいチーズデザートには、クラウドベリーのソースをたっぷりかけて食べるのが定番。写真はラップランド料理レストラン、Ravintola Saagaで味わえるユーストレイパ

キノコと同じく、夏から初秋にかけて森で収穫されるさまざまなベリー類も、パイやケーキだけでなく、レストラン料理でも大活躍します。例えば肉料理には、臭み消しの意もあり真っ赤なリンゴンベリーのジャムが添えられることが多く、デザートにもベリーを使ったメニューがずらり。

レストランで味わうデザートとして、メニューにあれば是非試してみてほしいのが、ユーストレイパ(juustoleipä)と呼ばれるラップランド地方のチーズケーキ。ケーキといっても出されるときは生暖かく、キュッキュと音がたつぐらい独特の歯ごたえを持っていて、日本のはんぺんに近い食感といえるかも。ユーストレイパは、鮮やかなオレンジ色をしたクラウドベリー(lakka/ラッカ)の実やジャムをたっぷりかけて食べるのが定番です!

最終ページでは、レストラン全般で通用するルールやマナーと、お待ちかねのおすすめレストランリストをご紹介!
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