およそ商品ラインナップに於いて、最上級グレードつまり「ハイライン」にあたるランクは、そのブランドの象徴であるといっても過言ではない。分譲マンションのように高額な商材ともなれば、ときに数億円の値が付くために、相当の購買力を誇る顧客が取引先となる。世界の一流品に囲まれて暮らす、審美眼の長けた相手と想定しなければならないだろう。つまり、それはデベロッパーの実力が世界基準で問われると同義なのである。
「パークマンション」(三井不動産レジデンシャル)、
その思想は唯一無二
マンションブランドのなかでも、ハイグレードランクとして知られるのが、三井不動産レジデンシャルの「パークマンション」である。日本初の全戸億ション「赤坂パークマンション」は、薬研坂の坂上に位置し、角を切り取った開口(窓)の多い外観が今だ個性的な佇まいの建物である(参照「高級マンションのルーツは赤坂にあり」)。「三田綱町パークマンション」は、シリーズの中でも名作と呼ぶにふさわしい1棟であろう。ワンフロア4戸。全戸120平米超の角部屋で構成された超高層マンションは、40年経ったいまでも斬新といえよう。四隅に張り出したバルコニーが、明るく開放的なタワーライフを連想させる。“正しく古いものは永遠に新しい”とは、まさにこの建物にこそあてはまる言葉ではないだろうか(参照「専有部では分からない、優れた高級マンションの共通点」)。
三井不動産レジデンシャルは、パークマンションのコンセプトを唯一無二と表現する。が、個人的には「パークマンション」こそ、三井不動産らしいフロンティア精神を体現したシリーズ名であると捉えている。「検見川浜パークマンション」(千葉県)は、90平米台を中心とした雁行メゾネットという珍しい郊外型大規模マンションである。三菱地所と住友不動産にはさまれた区画にあって、市場を超越し理想を探求した形跡がはっきりと伺える。挑戦の二文字が似合う企業、その最高峰がパークマンションというマンションブランドなのだ(参照「知られざる『パークマンション』の系譜」)。
さて、三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス」最上級グレードの見どころは?