今後はもっと正確に
これら全国の地震を予測した地図について、地震調査委員会では「東日本大震災を予測できなかったことで多くの課題がわかった」としています。その原因としては、発生の間隔を1000年から500年という単位でとらえている現在の予測図では、発生間隔がより長く、低頻度である海溝型地震の影響や、内陸の活断層の影響を取り入れにくい、としています。また、まだ解明がされていない活断層があることなども踏まえ、これからも調査・観測を続け情報の収集を続けていくとしています。今回発表した2012年度版は、まだそれらの改善策を取り入れていない従来の方法によって作成したものですが、今後発表されるものは、長期スパンの地震動予測もなんらかの形で加味されてくると思いますので、より正確な確率値が出てくると期待したいと思います。また、現在の評価手法については過去の時点で作成した予測地図と実際のデータを比較してみると、基本的には有効である、としています。
都道府県庁所在地で危険な場所はどこ?
「全国地震動予測地図」2012年度版と同時に公表された「都道府県庁所在地の今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」も見てみましょう。
ちなみに東京都庁の確率は23.2%でした。
それによると、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が高い順に、静岡89.7%、津87.4%、横浜71.0%、根室65.3%、水戸62.3%…となっています。特に2010年と比較して水戸、千葉の確率が高くなっています。
反対に確率が低いのは上川(旭川)0.2%、檜山(江差)0.3%、宗谷(稚内)0.4%(いずれも北海道)となっています。
お住まいの都道府県庁所在地の確率はいかがだったでしょうか。 前頁の全国地震動予測地図でも言えることですが、この予測がもし「安全」であったとしても、それで安心しないようにしてください。今の段階では全てを網羅した予測図は出来ていないことを踏まえつつ、これからの防災対策の参考にしてください。
【関連サイト】
今後の地震動ハザード評価に関する検討~2011年・2012年における検討結果
(地震調査研究推進本部※1)
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