首都直下型地震の最大震度が「7」になる可能性があるという発表に続き、3月31日に内閣府に設置された「南海トラフの巨大地震モデル検討会」(座長:阿部勝征東京大学名誉教授)が南海トラフ付近で発生する大地震の新たな想定を発表しました。

 

震度7の地域が23倍に

それによると中部~近畿~四国~九州の太平洋側で震度7となる地域が大幅に拡大され、静岡、愛知、三重、兵庫、和歌山、徳島、香川、愛媛、高知、宮崎の10県153市区町村が該当し、面積で従来予測の23倍に達しました(【図1】【図2】【表1】参照)。
【図1】新たな震度分布図

【図1】新たな震度分布図(クリックして拡大)。出典:内閣府 南海トラフの巨大地震モデル検討会資料 以下【図2】【表1】も同じ



【図2】過去の震度分布図(クリックして拡大) 出典:内閣府 南海トラフの巨大地震モデル検討会 資料

【図2】過去の震度分布図(クリックして拡大) 

【表1】震度域の広がり

【表1】震度域の広がり

【図1】と【図2】を比較すると赤~オレンジ~黄の震度6以上の地域が広がっていることがわかります。具体的な市町村別最大震度については下記をご覧になってください。

市町村別の最大となる震度(南海トラフの巨大地震モデル検討会資料)

また津波も高知県の黒潮町で最大34.4メートル(2003年の中央防災会議予測では17.0メートル)を始め、従来の予測をはるかに超える数値が発表されました。

 

最大規模でマグネチュード9クラスに

今までの予測では南海トラフ付近で発生する可能性のある東海地震、東南海地震、南海地震はそれぞれマグネチュード8クラスとされていました(次ページ参照)が、今回の検討会の報告では、南海トラフ付近で最大級の地震が発生した場合「マグネチュード9クラス」になる可能性があるということです。

 

なぜ規模が大きくなったのか

なぜ被害の規模が大きくなったのでしょうか? 今回の発表を行った「南海トラフの巨大地震モデル検討会」は、東日本大震災後の2011年8月に内閣府に設置されました。

東日本大震災では「想定外」の大地震が発生したため多くの人が命を落としました。従って今後はそのようなことが起こらぬように、地震や津波の想定を行う場合には「あらゆる可能性を考慮した最大級の地震・津波を検討していくべき」と考えられるようになりました。

その考えに従い、現時点での最新の科学的知見に基づき、発生頻度は低いかもしれないが起こりうる最大級の地震・津波を推測した結果が今回の発表内容です。最悪の事態を予測したため、従来の予測より地震の規模や範囲が広がり、津波高さも引き上げられました。

 

次のページで南海トラフ付近で起こる地震の基礎知識を見てみましょう。