キッチンのストレス
「で、ゴミ箱はどこに置くの?」とあるモデルルームに見学同行したときの主婦の声。最近の新築マンションのキッチンは、ディスポーザーや自動食器洗い機が標準装備され、また扉の裏側に包丁入れがあるなど何かと充実化が図られている。が、肝心なスペースはまだまだ足りないようだ。カウンターの天板も、高級感を押し出せる天然石を採用する現場が多くなったが、はたして染みは出ないのだろうか。食洗機も、仲間が大勢集まる家ならサイズが気になる。食器の出し入れのしやすさなども考慮すると海外メーカーが選択できたらと思う。
水回りは、暮らしに直結するところ。とくにキッチンは、食を受け持つために、その影響は大きい。日々酷使するため、傷みの早さなど質の差が出やすい。物理的な寿命と機能的寿命があるとすれば、使えないキッチンは意外にその期間は短くなる。もちろん各家庭のライフスタイルによって、随分違いはあるだろうが。
「ポーゲンポール」のショールーム
そこで、今度こそストレスのないキッチンに替えたい、とお考えの方に、世界最高峰のひとつといわれるキッチンをご紹介しよう。ドイツの「ポーゲンポール」である。オーナーのスタイルに合わせ、丁寧に1台ずつオーダーしていく方式。大量発注を前提とするからだろうか、あるいはコストの問題からか、新築分譲マンションで導入した事例をまだ知らない。後ほど説明するが、製造工程や納期の関係で、今後もそう簡単にはお目にかかれそうにない逸品であるが、リフォームなどでは徐々に浸透し始めているという。「ポーゲンポール」は120年の歴史を持つ。日本法人ができたのは3年前(2009年)。広尾駅(住所は港区南麻布)にショールームを構えている。
外苑西通りに面したショールームは、広尾ガーデンヒルズに入る道を少し北上したところ。コンクリート打ち放しのビルの1階で、300平米ほどあるだろうか。数セットのシステムキッチンが展示されている。さて、「ポーゲンポール」のキッチンの特徴はどんな点にあるのか。検討の際の注意点を伺った。