イタリア高級家具ブランド「モルテーニ」
「B&Bやミノッティといった、大きめのイタリアモダンソファのなかでも、モルテーニはサイズバリエーションが豊富で、価格もそれらに比べると若干割安にうつります。デザインも尖った感じがしません。」売れ筋の理由をわかりやすく解説してくれたのは、アルフレックスジャパンの横山さん。アルフレックスジャパンが、B&Bイタリアの取り扱いを解消したのち、モルテーニとの提携をはじめたのが2010年10月。このたび同社は、ソファの人気シリーズ「ポートフォリオ」の発展形「ラージ」、座面と背もたれにキルティング素材を組み入れたカバーで包み込むチェア「アウトライン」、そしてアルミ材を真空プレスした脚と枠にガラスの天板をのせたテーブル「グラード」の3シリーズを投入した。
「グラード」はイタリア語で、角度の度(°)の意味。「幾何形体の美」を追求するアーティスト、ロン・ジラッドのデザインである。「フレームを45度傾けることで角を消し去り、線だけが存在するような美しく新しい視覚効果を生みだした」(パンフレットより抜粋、下の画像参照)。ラインナップは、サイドテーブルにダイニングテーブル、それに収納メーカーから出発したモルテーニらしくシェルフとワードローブ用のドアまで展開している。
売上はカッシーナの倍以上!?
モルテーニは、アルフレックスジャパンが取り扱いを始める前は、アクタスが提携していた。しかし、日本における認知度はいかほどだろう。ちなみに、イタリアの代表的な家具ブランドとの売上比較では、「カッシーナが135億円、B&Bイタリアの174億円に対し、モルテーニは348億円」(アルフレックスジャパンプレゼンテーションより)。世界のハイエンドに勢いよく普及している様が、こんな数字から読み取れる。その差は歴然といえそうだ。生産データであらわすと、モルテーニの製造するパネル枚数は年間600,000枚。これはおよそ1分間に6枚ものパネルを作っている計算になる。ソファは同じく年間で25,000シートを量産。さらに、特筆すべきは年間20億円にのぼる開発費。他を圧倒する規模の投資が、ハイクオリティの源であり、他の追随を許さない技術力の支えになっている(同プレゼンテーションより)。