継続雇用先は、グループ内企業まで広げて対応しよう
(改正要旨その2)
継続雇用先だけでなくグループ企業も可能です
(具体的な例)
・子会社(議決権の過半数を有しているなど支配力を及ぼしている企業)
・関連会社(議決権を20%以上有しているなど影響力を及ぼしている企業)
企業グループ全体の雇用対策として取組む時代に入ったのです。また、継続雇用制度ではありませんが、実務上は、雇用条件の合意ができれば、グループ企業以外の取引先企業(資本関係がない)への転職(自社退職後再就職)などももちろん考えられるでしょう。
厚生労働省ホームページ「高年齢者雇用安定法の改正について」概要から抜粋
義務違反は、企業名が公表されることもあるので要注意
(改正要旨その3)
前記の、高年齢者雇用確保措置が実施されていない企業に対しては、従来、行政側から、助言・指導・勧告がなされてきました。今般は、もう一歩突っ込んで、「公表」することもありうる、とされたのです。かなり強い強制力が働くようになるのですね。企業が社会的責任を積極的に負う時代に入ったといえるのです。心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用はどうする?
(改正要旨その4)
前記のとおり経過措置はありますが、来年4月から待ったなし、の状況です。でも、対象者個人を個別にみていくと、やはり業務の遂行に堪えないと判断される人も出てくることでしょう。この場合どう対応したらよいのでしょうか。実はこうした際の実施・運用に関する指針(案)が、厚生労働省から示されています。最終的な公表がまもなくされますが、案文では次のようになっています。(案文抜粋)
「心身の故障のため業務に堪えられないと認められること、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たしえないこと等、就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く)に該当する場合は継続雇用しないことができる。」
なお別途、労使協定を結んで、継続雇用しない場合を取り決めておくこともできる、と書かれています。ただし、継続雇用しないことについて、客観的合理性・社会的相当性が求められるとされています。予想される場合は、就業規則等で明確に記載しておかないとトラブルの原因となります。実施前までに、自社規則の改定作業を進めておきましょう。
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