高級マンション/マンションのブランド論

野村不動産の所長が語る、プラウド南麻布が売れた理由(2ページ目)

いま都心部のマンションは、見事なまでにその売れ行きが二極化している。それは、定期借地権付マンションも例外ではない。リーマンショック前後の価格変動が大きな原因というが、果たしてそれだけで顧客心理を説明することができるのだろうか。今回は、早期完売した「プラウド南麻布」の販売責任者に、好評の要因を尋ねた。富裕層はどのような住まいを思い描いているのだろうか。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド


定期借地権の利点を最大化した方法

プラウド南麻布モデルルーム

プラウド南麻布モデルルーム

「プラウド南麻布」の泉山所長は、これまでに丸井本社ビル跡地プロジェクト「中野ツインマークタワー」、新宿御苑隣接のヴィンテージマンション建て替えプロジェクト「プラウド新宿御苑エンパイア」ほか「プラウド元麻布」「武蔵野タワーズ」「プラウドタワー東五反田」など数々の注目案件に携わってきた実績がある。

今回南麻布の販売を開始するにあたって、彼が推進した最大のポイントが、「定期借地権の制度としての魅力と顧客が感じやすいデメリットの溝を埋める作業」だった。

プラウド南麻布、泉山所長

プラウド南麻布、泉山所長

具体的には3点。まずひとつは、借地期間を60年に設定したこと。通常の50年では40~50代で購入した場合、終の棲家になりえない可能性がある。この点は定借マンションにつきまとう大きな不安要素だ。次に、毎月の地代。平米あたり105円に抑えた。そして最後が、借地期間終了後も建物を解体しないこと。この3つ目の条件は、いまだ多くの定借物件が成し得ていないハードルである。長期優良住宅が叫ばれる昨今、鉄筋コンクリートを50年で必ず取り壊すという取り決めは、顧客に時代の矛盾を感じさせるのも無理はないと思うのだがいかがだろうか。

泉山所長には、現在の都心のマンション市場についても言及してもらった。この内容は、市場で顧客と直に接する営業マンならではの感想で、良い物件を選ぶヒントが詰まっている。供給側という立場から一歩距離を置き、本来求めるべき高級マンション像をわかりやすく言い表している。

<関連動画>
「【プラウド南麻布】所長 都心のマンション市場を語る」(2:39)

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