・五島列島からのヒラスズキ オマール海老のエッセンス パイマックルの香り
五島列島からのヒラスズキ オマール海老のエッセンス パイマックルの香り
そして魚料理は「ヒラスズキ」! ヒラスズキ独特のムチムチしたマッスルな白身の身質は、ナイフを入れた瞬間に弾力の強さが分かるほどですが、ギュッと詰まった旨味も秀逸。これに合わせるソースはオマール海老から抽出したジュと、南瓜のピュレ(+カルダモン)、さらにパイマックルというエスニックな香りも付与されてあり、実に風味豊かな仕上がりになっています。
添えられた野菜達もドラゴンフルーツの蕾など珍しい食材も使われていて、食べていて楽しくなる一皿でしたね。
・想像のデザート
想像のデザート
デザートは3種類の中から一つを選ぶスタイルなのですが、そのプレゼンテーションが実にユニーク。まずは写真のように、それぞれの食材だけを提示されます。この中から食べたい食材を選ぶと……。
「リコッタチーズ」「キウイ」「すみれ」を使ったデザート
このように選んだ食材を使ったデザートが運ばれてくるわけです。写真のデザートは、「リコッタチーズ」「キウイ」「すみれ」を使ったもので、「すみれ」は砂糖漬けとジュレの2種類で、その風味を愉しみます。そしてキウイはカットされたもの以外に、ソルベにしたものと、その下には皮と種をローストして粉末状にしたものが添えられてきます。リコッタチーズは滑らかなシブーストと、どれも実に多彩なテクニックを駆使した一皿。
南フランスを思わせる「すみれ」のアクセントも素敵ですし、様々な食材を使いながらも全体の調和が成し遂げられているセンスの良さは特筆物です。
・食後ティと食後の楽しみ
食後ティと食後の楽しみ
食後にはコーヒーと紅茶以外にハーブティもあります。今回は「レモングラス」「ヴェルヴェーヌ」「菩提樹」の3種ブレンド。ミニャルディーズは、アーモンドの生キャラメルと、ピラミッド型のカヌレ! 一般的なカヌレは蜜蝋で表面が固く、中はもっちり系が多いですが、このカヌレは全体的に柔らかく、中はしっとりとしたユニークな仕上がり。食べやすくて何個でも食べたくなる逸品でした。
京で味わう温故知新のモダンフレンチ
バイザグラスも充実していますので、ランチでもワインを愉しみたい
スペシャリテの「農園野菜のコンプレッション モザイク仕立て」を始めとする卓越した野菜使いは、さすがは京都人のシェフといったところですね。野菜を使ったアート作品とも言うべきセンスの良さを感じますし、独創的であっても料理を構成するエレメンツと着地点はフランス料理。こういったバランス感も素晴らしい。
また、ソムリエの打田さんのサービスも丁寧で心地良く、店内に飾られた現代アート作品(月替わり)も感性を刺激してくれますし、座っているたけでも非日常感が体験できるのが嬉しい魅力。
奥にあるオープンに見える厨房の中では、南仏のトゥールーズで修行されたというパティシエさん(男性)と、主に「焼き」を担当する女性シェフとの息もぴったり。長野シェフはその若さと意欲で京都にこれまでなかったような「何にも囚われることのない自由なヌーベル・キュイジーヌ」を紡ぎ出していかれることでしょう。
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・店名: Méchant Loup
・所在地:京都市中京区寺町通二条上る常盤木町55
・アクセス:京都市営地下鉄「京都市役所前駅」11番出口より徒歩約5分
・地図:
Yahoo!地図
・TEL:075-212-2012
・営業時間:12:00~14:00(LO)、18:00~20:30(LO)
・定休日:毎週水曜日 第二、第四木曜日