高級マンション/高級マンション選び

マンションの資産価値、用途地域の境界線は要注意(2ページ目)

マンションを選ぶ上で、資産価値を重視する傾向はますます強まっているようだ。駅に近く、貸しやすい物件が人気。だが、資産価値に影響を及ぼす条件は他にもある。見逃してはならないポイントをまとめてみた。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

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用途地域の境界付近はハイリスク(要注意)

つまりこういうことだ。一戸建て(画像中央)ゾーンは都市計画法上の用途地域が「第一種低層住居専用地域」に指定。建ぺい/容積は60%/150%、高さ制限は10mである。かたやマンション(画像左)の敷地部分からは「第一種中高層住居専用地域」に指定、同60%/200%、45m第2種高度地区。さらに、撮影したマンションの場所は「近隣商業地域」で80%/300%、第3種高度地区。500mも離れていないゾーンのなかで、用途地域の違いからこれほどまでに建物の高さが異なってくる。

中央部分は低層地域

中央部分は低層地域

マンション(左)から中高層地域

マンション(左)から中高層地域


閑静な環境を手に入れたつもりでも、用途地域の境界に近ければ、いつ高い建物ができるかわからない。また、眺望の良さを魅力に感じて上層階を選んだとしても、それ以上に高いマンションが建つかもしれない。現況は空き地や駐車場でも、それはたまたまなだけで、制限一杯の建物が建つことを想定して立地を判断しなければならないのだ。

「南が低層地域」の中高層マンションは魅力

逆もある。南が第一種低層住居専用地域の中高層マンションは、かなり高い確率で将来にわたって日照と眺望が確保できると考えてよい。したがって、「資産性を維持しやすい」といえるだろう。しかし、そのような立地ではたいてい分譲価格自体がやや高く設定されているだろうから、さすがにハイリターンとはいえないが。

今回はわかりやすい例として「用途地域の境界」に絞って解説したが、タワーマンションの眺望も同じことがいえる。東京タワーが見えるからタワーマンションの上層階を購入したにもかかわらず、物件と東京タワーの途中に超高層建物が建ったために、見えなくなってしまったという話は珍しいものではない。

こうしたリスクは、都心部に向かうほど高いと思われ、また公開空地を設けて高さ制限などを緩和してもらう「総合設計制度」を活用する場合などは、都市計画法上の用途地域のチェックだけでは防ぎきれないこともあわせて理解しておきたい。

【ガイドブログ】
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