税金/家や土地にかかわる税金

不動産を貸したときにかかる税金(2ページ目)

取りたてて資産家という方でなくても、副業で不動産投資を行う方、自宅兼賃貸物件のプチ大家さん、親から遺産相続してアパートマンション経営という方も多いようです。不動産を貸したときにかかる税金はどのようになるのでしょうか。不動産所得の計算方法、不動産所得の節税ポイント、サラリーマン大家さんの注意点についてまとめてみました。

田中 卓也

執筆者:田中 卓也

税金ガイド

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不動産所得の節税ポイント

前ページで、不動産所得の節税ポイントが“必要経費を適正に計上すること”にあると解説しましたが、不動産所得という業務の性質上、必要経費とならないものには、以下の項目が挙がってきます。
  • 生計を一にする配偶者その他親族に支払う給料・地代・家賃
  • 家事上の費用(個人の生活費)
  • 所得税・住民税
  • 延帯税や加算税
  • 印紙税法の規定による過怠税
  • 国民健康保険や介護保険料国民年金・国民年金基金
  • 借入金の元本返済部分
といったところです。

特に「生計を一にする配偶者その他親族に支払う給料について」は、必要経費にならないという箇所について、質問が多く寄せられます。この規定には、もう片方に、青色申告の事業専従者給与又は白色申告の事業専従者控除は必要経費にできるという規定があるからです。

青色申告の事業専従者給与又は白色申告の事業専従者控除について必要経費にしたい要件の一つに、事業的規模を満たしているかどうかという判断基準があります。事業的規模とは、その不動産の賃貸で生計を起てられるかどうかという判断基準で、貸付資産の規模・賃貸料の収入状況・貸付資産の管理の状況等から判断されることとなります。しかし、この実質的な判定が困難な場合は貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること、もしくは独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であることといった5棟10室基準で形式的に判断して差し支えないとしています。

いずれにしても、生計を一にする配偶者その他親族に支払う給料について必要経費にしたい場合には、事業的規模での不動産経営が要件の一つに入ってくるということです。

サラリーマン大家さんの注意点
「大家さん」をはじめるときはココに注意!

住まない間は運用に…は不動産所得です

住まない間は運用に…は不動産所得です

不動産を貸したことによって得た収入の税金は不動産所得です。したがって、勤務先からの転任の命令その他、これに準ずるやむを得ない理由があり、家族とともに転任期間中にマイホームを賃貸に出した、ということによっても不動産所得は発生します。このような場合、転任期間中の住宅ローン控除の取り扱いはどうなるのでしょうか。

この場合、家屋を再び居住の用に供した日の属する年以後、残りの住宅ローン適用期間については、住宅ローン控除の再適用を受けることができますが、家屋を再び居住の用に供した年に賃貸に出していたというような場合の住宅ローン控除の再適用は、家屋を再び居住の用に供した日の属する年の翌年以後と、一年遅れになります。現行の住宅ローン控除は10年間ですから、1回分住宅ローン控除の適用を逃すこととなります。

一方で、賃貸に出していた期間中の借入金の利子は不動産所得の必要経費になります。

サラリーマン大家さんの場合、住宅ローン控除の再適用と不動産所得を得ている期間中のローンの利子の必要経費算入について、きちんと理解しているかどうかがポイントになりそうです。
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