単価の高い、坪@300万円超の物件が売れている!?
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「【好調物件徹底研究】分譲価格が6年間で2割以上も上昇」では、再開発著しい武蔵小杉のタワーマンション(「パークシティ武蔵小杉ザ・グランドウイングタワー」同@291万円)が6年で2割以上上昇した価格(しかも、都心の中央区晴海よりも高い値段!)であるにもかかわらず、第1期300戸に1.2倍以上の登録が入ったことを。そして「都心のシングルマンション市場、その驚くべき実態」では、50戸未満のコンパクトマンションが1月半で相当高い申込率を達成しようとしている状況をリポートした。その「パークリュクス神楽坂」(坪単価@360万円前後)では、優れた商品企画性にも着目している。
今春の市況は、これまでとは明らかに異なる点がある。それは、時間を要するといわれていた「8,000万円~1億円台クラスの高価格帯マンション」や「3,500万円以上のコンパクトマンション」の動きが非常に活発であること。それに、都心から城南、再開発の人気エリアの相場が上がり基調であるという点だ。(もっとも、都心部でも長期在庫化している現場が少なからずあることも留意すべき点ではあるが…)
首都圏全体の指標も堅調
今月18日、不動産経済研究所が発表した首都圏新築マンション市場動向によれば、6月度の初月契約率は78.7%。初月契約率とは、その月に販売した(登録抽選もしくは先着受付があった)戸数のうち申し込みが入った率をいう。好不調の境目が70%程度といわれているなかで、この数値は悪くない。特別人気の高い物件などに数字が引っ張られるケースもなくはないが、「2月以降5か月連続で70%の後半を維持している」ことは素直に売れていると見て差し支えない。では、なぜこれほどまでに都心~城南のマンションが売れているのか。「消費税増税の駆け込みがもうはじまっていると実感しますか?」好調現場でこう尋ね、「Yes」と答えた所長は今のところ一人もいない。表面化されていないだけかもしれないが、いずれにしても増税(の見込み)で、この堅調ぶりを説明するには無理がある。
販売側が口をそろえるのはこうだ。「利便性が良く、希少性が伴えば顧客の決断は早い」。これには「好立地マンションの資産性が評価されている」という前提がある。浮き沈みの激しい株式や利息の低い金融商品に比べ、利便性の良いマンションの相場は比較的安定している。自分が住むことを考えれば、どうせ住居コストはかかるのだから買っておいて損はないだろう。設備もハイグレードで省エネ性能も高く快適。一石二鳥ではないか、ということだ。したがって、高収入の大手企業に勤めるサラリーマンにとっては、いい物件が出たときが「買い時」になる。