栄養管理/炭水化物・糖質

甘いものが好きなあなたの栄養処方

甘いものを食べる事は楽しみの一つです。ただし、食べる量や食べ方に問題があると心と体の健康に弊害を起こすことがあります。甘いものが好きな人が知っておきたいことをまとめてみました。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

仕事の合間や疲れているときに甘いものを食べると、なんだかホッとしませんか? しかし個人差はあるものの砂糖を取りすぎると様々な反応が現れます。私たちの気分の変化は、血糖値のレベルと密接な関係があります。甘いものや糖分を多く含む飲み物を摂取したあとは血糖値が急激に高くなり、なんだか元気が沸いてきたような気分になりますが、その後急激に下がるにつれてだるさや疲れを感じたり、うつっぽい感覚になる人がいるともいわれています。

甘いもの

甘いものはやっぱりおいしい

人の体は甘いものを欲する傾向があり、いつも甘いものを食べていると、食べないと落ち着かないといった、依存のような形になる場合もあります。砂糖の摂りすぎは、虫歯や高中性脂肪の原因にもなります。砂糖の多いものには、ドロドロ血液の原因にもなる体に悪い脂質やカロリーが多く含まれている点にも注意したいものです。甘いものはデザートとして上手に食事に取り入れるなど、節度のある量を楽しむことが大切です。


【食生活のポイント】

食べるタイミングと量に注意

甘いものが欲しい時は、食後のデザートとして食べるのがベストです。そうすることで、大量に甘いものを食べなくても満足感が得られます。楽しみとして少量とり入れる事には問題ありませんが、極端な食べ方をする人、例えば食事の代わりにお菓子を食べたり、カロリーを抑えるために食事を大幅に減らしている人は、体に必要な栄養素が不足し、疲れ、冷え性、肌荒れなどになりやすくなるので要注意です。

砂糖は用途に合わせて使うのがベスト

例えば、黒砂糖は白い砂糖より健康的なイメージがあるかもしれませんが、実はそうではありません。体内では同じ働きをし、カロリーもほぼ同じです。一部の砂糖はミネラルが含まれるから体によいとも言われていますが、大変微量なので、実際に健康に影響を与えるほどではありません。用途に合わせておいしく使い分けるのが一番です。

砂糖依存症気味ではありませんか

砂糖依存症(Sugar Addiction)は、最近になって研究なども行われるようになり、砂糖依存症は本物の依存症であるという見解も出てきています。薬物やニコチンと全く同様の依存作用ではありませんが、一部の依存回路がオーバーラップしているという説もあります。自分で砂糖依存症だと認識し、依存を克服しようとする人も増えています。甘いものを食べないと落ち着かないという状態に陥らないようにしましょう。

甘いものになれると大変

甘いものばかり食べると感覚が麻痺して、甘さへの感度が鈍る可能性もあります。海外旅行などでアメリカに行ったことがある人は、お菓子が甘くてびっくりした人もいると思います。しかし、アメリカに長く住んでいるうちに、日本のお菓子の甘さが物足りなく感じる人もいるようです。実際に、お菓子のレシピ等もアメリカのものは砂糖が多めです。健康のためにも、日頃から甘さ控えめを心がけましょう。

砂糖を食べ過ぎると骨が溶ける?!

「砂糖をとりすぎるとカルシウムが溶ける」とか「炭酸飲料を飲むと骨が溶ける」と聞いたことがある人もいるかもしれませんが、そのような根拠はないようです。砂糖をとりすぎたり、炭酸飲料を飲み過ぎたりすると、カルシウムが高い食べ物や飲み物を十分に摂取できないかもしれないという背景があるのかもしれません。また「砂糖を摂りすぎると、ビタミンB1を破壊する」という人もいるようです。ビタミンB1は砂糖の代謝に欠かせませんが、これも事実ではありません。
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