失敗した部下が陥りやすい3つの状態
失敗を成功に促すポイントを押さえる
特に経験の浅い新人や普段優秀で失敗し慣れていない部下ほど、失敗すると、
- 「反省」にどっぷり浸ってしまい、そこから動かない
- 失敗に「萎縮」して、新しい行動が起こらない
- 失敗した案件のみならず、「自分」のことをダメだと思ってしまう
一方、その傾向に拍車をかけているのがもしかしたら上司であるあなたの存在だとしたら?
今回は、部下の失敗を「成長」や「チャンス」につなげる上司になるためのヒントをご紹介します。
イメージを持って会話を始める
部下が失敗を報告しにきました。そのとき、あなたは普段、どのように対応していますか? どのようなことを意識して話をしますか?- 「原因追及」で終わらせず、そこから「学び」や「行動」へとつなげる
- 部下のモチベーションが下がらないように励ます
- ときには自分の失敗談を打ち明け、勇気づける
「自分は今、目の前の部下との会話をどのようなイメージを持って行っているか」
たとえば、レモンをイメージすると口の中がなんだかすっぱいような気がするように、イメージは私たちに大きく影響します。会話も、どのような内容を話すかと同じくらい、どのような「イメージ」で行われるかに大きく影響されます。
多くの場合、特にビジネスの場において、誰かと会話をするとき、向き合って座ります。同時に会話のイメージも「互いに向き合った」状態で行われます。
この「向き合っている」というのは、「私」と「あなた」、つまり互いに「見られている」という状態ですから、自然と「緊張」や「対立」を生みます。失敗について話すような場合は、特にその傾向が強まるでしょう。
必要なのは「会話に対するイメージ」の変換です。
横に座って同じ絵を眺めるイメージで!
オススメしたいのは、横に並んで座って一緒に絵を眺めるイメージです。効果的に行うには、実際そのような絵やイラストを見てから会話を始めるのがいいでしょう。場合によっては、イメージだけでなく、本当に横に並んで座ったり、何か一緒に資料や画面を見ながら話したりしてもOKです。このようなイメージで会話をすると、次のような効果があります。
■「緊張」がとれる
同じキャンバスの絵を見る感じ
「見られる」構造から抜けるのでまず緊張がとれます。また、失敗した側からすれば「責められている」という感覚も少なくなります。上司は責めているつもりはなくても、部下がそう感じていれば、反省モードから抜けられなくなります。
■失敗が「あなたの問題」から「私たちの問題」となる
「孤独感」「孤立感」は人を停滞させますが、一緒に考えてくれる人がいる、自分には味方がいるという感覚が高まれば、「安心感」が高まり、思考や行動が促進されます。
■失敗と距離がとれる
失敗にどっぷり浸ってしまうと、失敗と自分が同化し視野が狭まります。失敗と少し距離をとることで、冷静に視野を広く持って考えることができます。
このような状態を築くことができたら、おそらく部下は「3つの状態」から抜け出しはじめているはずです。そうしたら、絵をキャンバスに掛け換え、一緒に絵を描くイメージで、解決策や今後にどう活かせるのかを話してみてください(このとき、役立ちそうなことを巻末にまとめましたのでぜひご覧下さい)。
自分自身がどのような「失敗」神話を持っているかを確認する
あなた自身は「失敗」に対してどのようなイメージを持っているでしょうか? 例えば、次の2つの視点のうち、どちらがあなたの考えに近いでしょうか。■失敗に対して•••
失敗はよくない、できるだけ避けたい/失敗も1つの経験であり、未来や成長につながる
■失敗した人について•••
失敗した人はとことん反省すべきだ/失敗した人は事態改善や今後のために行動すべきだ
あなたが持っているイメージや考え方は知らず知らずのうちに会話にも表れます。たとえ、はっきりと言葉にしなくても、雰囲気や話の流れで部下やチームに影響しています。ですから、もしも失敗した部下に行き詰まりや停滞を感じるなら、自分自身の「失敗」の捉え方を今一度確認してみることも役に立つかも知れません。
<参考>
部下を「一緒に絵を描く」ときのヒント!
質問上手な人が仕事ができる理由
言い訳部下を前向きにさせる取り組み術
行動を後押しする話の聞き方