池田山は西武グループが開発
「池田山」は、1929年(昭和4年)西武グループの創業者堤康二郎氏が、箱根土地株式会社を通じて分譲した品川区東五反田5丁目の住宅地とその周辺をさす。旧岡山池田藩下屋敷跡地であったことがその名の由来。地形は、真南に向かってなだらかな下り傾斜である。かなり前になるが、区画分譲時の公図と登記簿謄本をコクド本社ビル(当時原宿)で見せてもらったことがある。担当者は「斜面地に盛り土をするのではなく、道を削って造成しているため地盤が緩くない」と、いっていた。軽井沢の千ヶ滝も同様の手法を用いるとも言われたように記憶している。
ホテル(プリンスホテル)開発は有名だが、都心部の住宅分譲地を西武グループが手掛けていたことは案外知られていない。島津山や御留山(おとめやま)<新宿区下落合>を開発したのも他ならぬコクド(西武グループ)である。
数年ぶりのプロジェクト「ザ・パークハウス池田山」
城南五山は、第一種低層住居専用地域に指定されているケースが多い。したがって規模的にも規制上もマンション開発は容易ではない。そもそも地価が高い上に、売床面積が確保しづらいためである。マンション分譲が長期にわたって行われなければ、その地の“通称”を目にする機会は無いに等しい。そもそも飲食や商業が栄える地域でないため、住宅開発以外にPRの機会がないからだ。仮に、中古の一戸建てが売りに出たとしても、広告で目に触れることなく“待ち客”で取引が成立してしまう場合が多い。知る人ぞ知るといわれるのは、それ故である。
この春、「池田山プレイス」以来8年ぶりに池田山でマンション分譲が始まった。物件名は「ザ・パークハウス池田山」。地下階なしの3階建てマンションである。建設地は、首相仮公邸があった場所で得難い希少性を有していると思える。数年前では考えられなかったような好立地に新規分譲が誕生した。
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「ザ・パークハウス池田山」の評価
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