見違えった「山手通り」

整備された山手通り。自転車と歩行者のゾーンを分けた歩道(中野坂上)。

整備された山手通り。自転車と歩行者のゾーンを分けた歩道(中野坂上)。

梅雨空の6月下旬、中野を訪ねた。東京メトロ丸ノ内線「中野坂上」駅から徒歩数分のビルだ。そこには「プラウド中野本町」のモデルルームがある。きっかけは、ホームページの外観パースが目に止まったこと(詳しくは後述)。もうひとつは、昨今の山手通りの整備の著しいことである。

これまで山手通りの印象と言えば「狭い」「渋滞」「空気が悪い」といったものだった。ほとんどが片側2車線で、駐停車が1台でもあろうものなら、すぐに後ろがつまってしまう。路線バスも走るので、混むのは当然の道だったのである。しかし、首都高が山手通りの下を走るにともない(現在は池尻まで)、辺りは様変わりした。

道路幅が広がって、渋滞は解消(松見坂以南はまだ変わっていないが)。歩道は、自転車と歩行者のゾーンを違え、インターロッキングブロックを敷き詰めた綺麗な道に整備されている。とくに再開発の進む中野坂上の交差点付近などは見違えるようだ。東京都の排ガス規制は、脳卒中の患者を減らしたという調査結果がつい先日発表されたばかりだが、これだけ環境が良ければ、「ちょっとジョギングでも」という人が増えそうな気がしないでもない。

新線、新駅ができることでマンションの資産性が向上したという話は「武蔵小杉」をはじめ、各地で実証されていることだが、道路整備も環境に与える影響は決して小さいものではない。そもそも「路線価」という定義があるように、「街の価値は道次第」と言える。今後、山手通りを生活圏とする都心近接エリアは注目のひとつ。これが「プラウド中野本町」訪問の2つめの関心事項だった。

南傾斜の高台

プラウド中野本町

プラウド中野本町

まず、物件の主だった概要を説明しよう。立地は東京メトロ丸の内線、都営大江戸線の「中野坂上」駅から南西に向かって徒歩8分。「中野坂上」駅は再開発途上で今後さらに激変する地域だが、その流れで地下鉄からの地上出口が現地に近い場所にできる予定だそうだ。表現規約の問題でHPやポータルサイトでは書かれていないようだが。したがって、いずれは2分ほど所要時間が短縮されるらしい。

現地は個人の豪邸跡地である。地形は南傾斜の高台。その先端に位置する。井の頭公園を源流とする神田川が200mほど南側を流れている。道路を挟んで、西側は小学校だ。ちなみに現地まで「新宿駅」から歩いた場合、80mを1分で計算して(不動産表示はすべてこの方法で換算)、徒歩28分だそう。西新宿の超高層ビル群から30分とかからず、この環境が手に入ると思うとちょっと意外である。

地型はほぼ整形。広域ロケーション、挟域環境、地形上のポジション、隣接条件、スケール。どれをとっても条件的に整った立地である。そこで、関心は建物に移る。この立地特性をどのように生かしたのだろうか。次のページへ。