なぜかわいがられる起業家が成功するのか
若い起業家の起業をサポートをする中で、成功していく起業家は周りにかわいがられるタイプが多いことに気づきます。過去の有名な起業家の中でも、見習いから一代で世界的な企業を作り上げた松下幸之助など、周りにかわいがられる中でチャンスを掴んでいった人は多く存在しています。彼らを見ていると、元々人にかわいがられる才能があったという場合もありますが、日頃の心がけや努力の積み重ねによるものとも感じます。今回は、ガイドが今まで関わってきた起業家の中で、かわいがられてチャンスを掴んだ人達の事例を紹介していきます。
事例1 熱心さでかわいがられる起業家
熱心に取り組む起業家は周りからかわいがられて成功します
私が支援したある起業家のお話。起業前から彼のセミナー受講の姿勢には感心していました。まず、席は必ず一番前のど真ん中を確保。講師の話にはメモを取りつつ大きくうなづきながら聞きます。質問時間には真っ先に手を上げて質問。そして、終わってからもすかさず講師のところに駆け寄って名刺交換をし、更に自分の場合はどうなるのかなど、つっこんだ質問をします。更にアンケートには講師への感謝の言葉と連絡先を記入するのです。
これだけ熱心に受講してくれたら、講師としてもうれしいもの。彼の起業をぜひ応援してあげたいと思いますよね。彼はあちこちのセミナーで同じように熱心に受講して、多くの専門家に宣伝してもらったり、協力してもらったりして結果として今、成功しています。
セミナーを受講する際にあまり意識しないかもしれないですが、講師からは会場の一人一人の様子が丸見えです。誰が熱心に聞いてくれていて、誰があくびをしたり、しかめっ面をして腕組みをしながら聞いたりしているかも見えます。逆に、熱心に参加してくれている人は顔も覚えるし印象に残ります。セミナーを受講する際には、ただ漫然と受講するのではなく、そういったことも意識して取り組みたいですね。講師との大切なご縁が生まれる可能性があります。
事例2 素直さでかわいがられる起業家
成功する起業家は、共通して、素直に周りに頼ることでかわいがられるタイプです。わからないことはその道の専門家に聞き、その意見を尊重します。餅屋は餅屋。その道でメシを食っている人にかなうわけがないのを知っているのです。逆に器用で何でもこなせる起業家は要注意。周りから見たらかわいげのない起業家になっている可能性があります。自分では何でも知ってて何でもこなせて能力があると思いがちですが、何でも全て自分でこなそうなどと考えたら、どこかで頭打ち。時間もキャパも足りなくて悩んでいるケースが多いのです。知れば得することも教えてもらえずに損している可能性もあります。
経済学で比較優位という考え方があります。例えば、A国は肥沃な土地があり農業が得意、B国は技術力があり車の製造が得意だとします。その場合、A国は得意分野の農業に徹し、B国は得意である車の製造に徹する。そしてそれぞれ得意分野のものを輸出し、そうでない分野のものを輸入する。これを徹底することができれば、結果的に全体としての生産性が上がり、両国とも経済が栄えるということです。
これは個人レベルでも同じこと。 それぞれが最も得意な仕事に時間を配分した方が生産性は上がるのです。自分よりも効率的にできる人がいたら、プライドを捨ててお任せしてしまいましょう。自分がやればできること、ちょっと知っていることでも、あえて知らないふり、不得意なふりをして周りにかわいがられてしまうくらいでちょうど良いかと思います。専門家に対してだけではなく、自分よりも生産性の高い仕事をする社員や外注先を見つけ、頼ることができる人もやはり成功していきます。プライドがじゃましたり、給料や外注費の金額をケチって何でも抱え込んでしまうのはもったいないですよね。