多くの現場で競合
先月公開した「今、こんなマンションが売れている」は予想を上回る閲覧数だった。読者は思った以上に、好調物件の情報を欲しているようだ。たしかに、新築マンションの市場動向は相場トレンドに影響を与えるから、「いまどんなエリアのどの物件が、いくらくらいの価格帯が売れているか」は気になる情報。今回は、その続編として都心の物件をご紹介したい。物件名は「グランドメゾン白金」。積水ハウスが売主だ。じつはこのマンション、この春まわったいくつかの現場で「ライバル候補」に多く名乗りをあげていた物件である。麻布や神宮前など都心の有名どころと競合したのだから、その興味の高さは相当なもの。
なぜ、このマンションが関心を集めたのか。物件を解説するとともに、その評価ポイントを探ってみたい。
「グランドメゾン白金」の評価
所在地は港区白金2丁目。最寄りは東京メトロ南北線「白金台」駅から徒歩3分である。この辺りに明るい方なら「スパ白金」の向かい側といえばわかりやすいかもしれない。敷地は細長く、端が目黒通りと三光坂に接する。用途地域は、商業地域と第一種中高層住居専用地域にまたがっているため、立地面では向きと階数によっては眺望や日照といった点で妥協を強いられるケースもあり得る。利点は、駅近で利便性に優れていることだ。次に建物。耐震構造の地下1階地上6階建て。基礎杭は地下31mまで打ち込んでいる。設計は日建ハウジングシステム、施工は大成建設。総戸数は53戸。住戸の向きは南、南西、北東に分かれる。
外観やエントランス、中庭は邸宅感を意識したしつらえである。とくに目黒通り側のファサードは縦のガラス面が強調されていることに加え、大きくせり出した最上部の庇も個性的。対面には「グランドヒルズ白金台」や「ホーマットキャピタル」といった高級マンションが居並ぶが、それに劣らない雰囲気のある景観になりそうな予感がする。