傷害保険で食中毒は補償される?
傷害保険と食中毒について傷害保険の特徴や医療保険(特約)などとの違いなどについてお話しします。
傷害保険の補償の対象となる事故
傷害保険というと、怪我をした場合に補償される保険というイメージがあるでしょう。実際、傷害保険でいう怪我の定義は「急激」「偶然」「外来」という3つを満たすものを言います。つまり突発的に発生し、予知できない事故であり、傷害の原因が外からの作用であるということです。少し小難しい言い方になりましたが、ごく普通にイメージする"怪我"が補償の対象にあたります。
しかし、一般的な傷害保険の規定上、こうした基本的な怪我以外に補償の対象となっているケースもあります。例えば、身体外部からの有毒ガスまたは有毒物質の偶然かつ一時の吸入等による急性中毒が補償されています。
傷害保険で食中毒は対象となる?
傷害保険では、食中毒(細菌性食中毒やウイルス性食中毒)は補償の対象外です。しかし損保によっては、「特定感染症危険補償特約」等の特約が設けられています。これは「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に定められた第一類感染症、第二類感染症、第三類感染症を発病した場合に対象となります。
- 一類感染症:エボラ出血熱、ペストなど
- 二類感染症:SARS(重症急性呼吸器症候群)、鳥インフルエンザ(H5N1)など
- 三類感染症:コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症(O-157を含む)など
また食中毒とは別ですが、新型コロナウイルスについても改定がありました。特定疾病感染症危険補償特約を付帯した契約について、新型コロナウイルス感染症を支払対象とする損保もでています。この場合、例えば2020年2月1日などに遡って補償を適用しています。
傷害保険の種類によって異なる食中毒の対応
傷害保険には、普通傷害保険や交通事故傷害保険、家族傷害保険、ファミリー交通傷害保険、傷害総合保険など色々な種類があります。また、海外旅行保険や国内旅行保険なども、傷害保険の種類の一つです。実は海外旅行保険や国内旅行保険では、O-157などの細菌性の食中毒等については補償されています。国内旅行保険というと馴染みのない人もいるかもしれませんが、団体旅行やクラブの合宿などでもよく利用されます。もちろん個人でも加入可能です。
梅雨から夏の季節にかけてはこうした団体行事も増えてくる時期です。山や海などに出かけることの増える季節ですが、集団食中毒などもあり得る話ですので一考の余地はあるでしょう。
知っておきたい傷害保険の保険料や補償のポイント
傷害保険は怪我を補償する保険ですから、怪我や事故が心配で加入する人が一般的には多いでしょう。傷害保険は病気を補償の対象にしていない保険ですから、年齢や性別で保険料に違いはありません。区分があるのは通常、職種区分(A職、B職の2段階)だけです。病気を対象にしないため、医療保険のような医師の診査などが不要のため、こうした保険と比較すると加入しやすいことも特徴です。
その他、傷害保険の一番大きな特徴は、入院のない通院についても1日目から補償されていることです。生命保険の医療特約や医療保険では、通院まで保障が付帯されていなかったり、付帯されていても入院後の通院を対象にします。こうした点でも傷害保険は使い勝手はよいと言えるでしょう。
傷害保険は特に特約などを付帯しなければ、入院は事故日から180日以内、通院は事故日から180日目までの実通院日数90日までが対象でした。
しかし今の傷害保険は何度かの改定により、通院部分の状況が変わっています。
一つは通院の保険料率が高くなったこと、もう一つは実際の通院限度日数が30日限度などになっていたり、日額払いではなく一時金などになっているケースが多いことです。
傷害保険における食中毒の補償は、ありとあらゆるケースが対象となるわけではありません。また特約の付帯などで一部対象となるケースもあります。食中毒の不安があるならこうした選択肢もありますので、一度検討してみるといいでしょう。
※各損保の傷害関係の保険によって適用などが異なることがあるので、必ず加入先に補償内容を確認するようにしてください。
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