傷害保険とは怪我や事故を対象にしている損害保険

保険は大きく分類すると第一分野(生命保険)、第二分野(自動車保険や火災保険等の損害保険)、第三分野(医療保険、がん保険など保険)の3つに分けられます。第二分野である損害保険は、火災保険など主に「物」につける保険です。

傷害保険は損害保険会社が販売している商品で「第三分野」に該当します。傷害保険とは、その名の通り傷害、つまり怪我を対象にしている保険ですから、病気は補償されません。
 
傷害保険とは、ケガや事故を対象にしている損害保険

傷害保険とは、ケガや事故を対象にしている損害保険

意外と使い勝手のいい保険ですが、このところ状況が変わりつつあります。傷害保険の基礎知識や使い方、注意点などについて解説します。
   

傷害保険における怪我の定義

傷害保険の規定における怪我の定義は、次の3要件を満たしていることが前提です。
  1. 急激
  2. 偶然
  3. 外来
つまり、時間をおかず突発的に発生する、予測できない偶発性がある、外からの作用によるものをいわゆる怪我と定義しています。

例えば、日焼けは火傷のようになっても急激性がないため怪我とみなされません。一方、料理をしていて使っていた火で火傷をしたら怪我として対応します。一般的には私たちがイメージする怪我と考えるものが対象になると考えていいでしょう。
 

傷害保険の保険料は職業によって異なる

傷害保険は怪我を対象にする反面、良くも悪くも病気は補償されません。そのため加入の際に医療機関での健康状態の診査・告知などは不要です。また年齢や性別によって保険料が異なることもありません。

その代わりに「職業」によって保険料が異なります。一般的に職業別で「A職」「B職」の2区分あります。A職は、一般的な職業(事務や営業、学生、無職者、主婦など含む)です。B職はトラックの運転手やとび職などで、A職よりも割高になります。

損保によっては職業区分をなくして一律の保険料にしているケースもありますが、B職の人は料率が一緒の方が安くなるでしょうし、A職の人は別々に設定されている方が一般的には割安になるでしょう。
 

傷害保険の種類

傷害保険には実は色々な種類があります。代表的なものをいくつか挙げてみます。
  • 普通傷害保険
  • 家族傷害保険 
  • 交通事故傷害保険
  • ファミリー交通事故傷害保険
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険 など 
※会社によって商品名が異なることがあります

「普通傷害保険」は、24時間365日補償されるオーソドックスな傷害保険です。

これと補償内容を同じくして保険の対象者を増やしたものが「家族傷害保険」です。本人や配偶者、同居の親族、別居の未婚の子などまで対象です。家族タイプの保険は配偶者を補償しない(シングルマザー向けなど)プランも選べるようになっています。
 

傷害保険と保険金の支払い

傷害保険の補償は通常の基本契約では次の5つです。
  • 死亡保険金
  • 後遺障害保険金
  • 入院保険金
  • 手術保険金
  • 通院保険金
傷害が原因で事故の日から180日を限度に上記の保険金が支払い対象となります。通常、通院保険金については180日以内に実通院90日が限度です。最近はこれを30日にしている商品が増えています。

特に生命保険・医療保険と異なる点は、通院保険金の支払いは入院を要件にしていないところです。
 

傷害保険はこんなときは支払い対象外

傷害保険の支払い対象外

飲酒運転による事故・怪我は、当然、傷害保険の支払い対象外

飲酒運転や無免許運転はもちろんですが、危険なスポーツ(スカイダイビング、ハンググライダー、アイゼン・ピッケルなどの登山用具を用いる場合など)をしているときの怪我は原則対象外です。対象にするためには保険会社への事前照会が必須であり、保険料の割増などで対応してくれることがあります。

例えば病気が原因で気を失って倒れた際に怪我をしたようなケースについても、結果的に怪我でも発生原因が病気などにあると保険金の支払い対象にならない点が勘違いされやすいので押さえておきましょう。
 

熱中症やO-157などは傷害保険で対象になる?

夏なら熱中症、冬ならO-157などが毎年話題になります。これらが傷害保険で対象になるかというと、原則として対象にはなりません。急激・偶然・外来などの要件から外れるためです。

しかし最近はこれらに対応する特約が付帯できるケースなどがあります。

地震などの怪我では同様に別途特約が必要です。家族などでこうしたことも心配であれば加入先の損害保険会社や代理店に相談してみましょう。
 

傷害保険の最近の状況

傷害保険の直近の改定は、大手損保などでは2019年10月に実施されています。このところ改善されてきたものの、2009年前後が収支悪化のピークでした。通院保険金や後遺障害保険金の支払いなどが増加したことが原因です。

特に高齢者に対してその傾向が顕著で、それを踏まえて次のような動きに拍車がかかっています。

■高齢者専用プランの設定
主に70歳以上で区分けするケースが多いですが、高齢者については専用のプランを設けています。通院の限度日数を短くしたり、一時金などで対応しています。

専用プランのセットプランで、要望に合せて補償を変更するようなことはできないようになっています。傷害保険に終身タイプはありませんが、90歳以上になると新規契約は厳しくなり、継続契約でも事故歴があると制限がかかってきます。

■通院、後遺障害などの制限
高齢者だけでなく、現役世代の人も通院日数を制限する保険会社もあります。最初にも解説したように1事故の通院90日限度だったものを30日までにしている会社も増えています(半面、通院保険金の料率は値上がり傾向)。

さらに後遺障害保険金は程度によって1級~14級までありますが、特約を設けて比較的軽い後遺障害の支払をしないかたちにするところが増えています。なお通院部分の保険料はかなり高くなりました。

死亡・入院・通院などそれぞれ個別に保険料が決まっていますが、通院は入院の保険料の数倍はします。掛金が安いなと思ったら通院保険金の内容を確認してみてください。保険金額が少ないか、通院保険金なしのケースがほとんどです。なお話題になることが多い自転車保険も同様です。
 

傷害保険のお得な使い方

傷害保険は病気を補償しない分、簡単に加入することができて怪我の通院だけでも保険金が支払われます。病歴のある人で生命保険や医療保険に加入できない人も多いと思いますが、こうした人が怪我をしないとも限りません。怪我の補償だけは傷害保険でまかなうというのも一つの考え方です。

高齢者などが家族にいる場合、単独で加入が難しければ子供が家族型の傷害保険に加入する方法があります。家族が誰が何人いるかなどは申告して加入するわけではありません。同居の親族などは自動的に入りますので、親が同居ならこうした使い方も考えておきましょう。

交通事故が心配な場合、自動車保険の契約があれば人身傷害補償の補償範囲を広げることも検討してみてください。子供や親など同居の親族も対象ですし、契約車両に乗っていないときの交通事故まで範囲を広げられる商品も増えています。

人身傷害保険は1日いくらではなく、実際の損害を支払いますのでかなり役に立ちます。

【関連記事】

【抽選で10名にAmazonギフト券1000円分プレゼント】All Aboutで「お金」について、アンケートを実施中です!
回答いただいた内容をAll About記事企画の参考にさせていただきます
※2021/9/1~2021/9/30まで

「毎月の家計についてのアンケート」に回答する

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。