高級マンション/マンションのブランド論

なぜこうも違う!?マンションの営業スタイル(2ページ目)

買った人に「決め手は何だっか」を尋ねると、「営業マン」と答える人が予想以上にいる。マンション販売における営業マンの役割はじつに多岐にわたり、買い手にとって非常に大きな存在である。実際に、評判の良かった営業マンションにその心得を聞いてみた。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド


「中立的な立場」でアドバイス

飯野貴之氏(三井不動産レジデンシャル)は、ハウスメーカー、リフォーム会社、そしてマンションデベロッパーと広く住宅業界に携わってこられた経験を持つ。10数年もの間、住宅産業を見てきたなかで「最近の顧客思考はどのように変化していると感じますか?」と聞いてみた。
三井不動産レジデンシャル ソリューション営業本部 飯野貴之氏

三井不動産レジデンシャル ソリューション営業本部 飯野貴之氏


「漠然と迷われている方が増えてきているような気がします」(飯野氏)。震災、資産価値、質の追求などいろんなキーワードがあって何を基準にして良いのか、判断しかねているような雰囲気を感じ取る。ただ、たしかな傾向として実感しているのは、「賃貸からの住み替えニーズ」。今年に入って「やっぱり地震に強い新築マンションを選ぼうというお客様が増えましたね」(同)。

「接客の際に気を付けていることは何ですか?」の質問には即答、「中立的な立場でアドバイスすること」(同)。「お客様が本当に納得して、自分の意思で決断できるように、中立的な立場で丁寧にアドバイスすることが我々の役割だと思っています」。かなり以前は、電話がけや訪問セールスが盛んだったこともあるマンション販売だが、「一歩引いた冷静で客観的な立場」での関係性を顧客は望んでいる。

固定観念を取り払うことも重要

三井不動産レジデンシャル ソリューション営業本部 飯野貴之氏

三井不動産レジデンシャル ソリューション営業本部 飯野貴之氏

最後に、マンション購入を検討している人にアドバイスを。「例えば、資産価値を意識すると皆さん『駅近が良い』と思われるようですが、それでは最初から選択肢を狭めているようなもの」。「資産価値といっても、いろんな指標があります。総合的に自分に合った物件を求めたいなら、ひとつの固定観念にとらわれ過ぎるのは良くない」。飯野氏は現在、「桜プレイス」(豊島区)販売センター所長である。

“住宅は、住んでから本当の付き合いがはじまる”。住宅メーカーがよく使うコピーだが、これは事実である。空間として満足いくかどうかはモノ次第だが、住み始めて1、2年目に多い不具合の対応やメンテナンスの指導などを親身になってくれるかどうかは買う段階ではわからない。

運命の出会いが、マイホームの世界でもあるとすれば、それは物件だけではなくて、人との出会いであり、住宅メーカーとの出会いである。法人を相対で判断することは難しいから、正面に座った営業マンを見るしかない。あなたと出会えてよかった、と思う人に巡りたいものである。

【関連記事】
マンション業界のブランド戦略~顧客接点の模索

【ファイスブックページ】
マンション評価や活動記録など


Copyright(C)2006 MH3 Inc. All rights reserved.

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます