祇園に京野菜フレンチの新店誕生
ジャッジョーロ 祇園の外観
京都で一番京都らしい「橋」と言えば白川に架かる「巽橋」をまずは思い浮かべる人も多いでしょう。橋のすぐ北にある辰巳大明神にお参りした後、橋の上に暫し佇んでから南へ渡り、切通しの路地へ入ると、やがて左手に渋墨塗りの板壁の京町家が現れます。この町家の2階に2011年12月にオープンしたのが、今日ご紹介する欧風フュージョン料理のレストラン「ジャッジョーロ祇園」。ちなみに「ジャッジョーロ」とはフィレンツェ市の紋章になっている「アイリスの花」のことです。
注) 2013年1月に「ジャッジョーロ祇園」は閉店されました。当記事は執筆当時のものとなります。
町家の雰囲気が残る店内
窓のない板壁のちょうど真ん中をくり抜くように設けられた小さな入口を入ると、すぐ左手に鉛張りの狭い曲がり階段があり、さながら秘密のダンジョンへの入口のよう。2階にたどり着くと、そこは天井の梁は大正期のままに、仕切りを取り除いてモダンに改装された全16席の空間が広がっているのです。
壁の一部は元の土壁が、まるで古代遺跡の壁を保存するかのようにむき出しの状態で保存されていて、そこに沁み込んだ歴史の息使いがそのまま漂ってくるようです。
カトラリーはお箸も付いています
シェフは藤岡健太郎さん。東京の有名フレンチ店で修行された後にフランスへ渡り、リヨンの北西のロワール川沿いの町「ロアンヌ」の「トロワグロ」を含めて約5年のフランス修行から帰国。その後、ジャッジョーロ祇園のシェフとして招聘されました。
次ページでは、コース料理を御紹介します。