強みか、弱みか。それが仕事に対する熱意の分かれ目
関心が低いと幸福度も低くなる
「仕事に熱意を失う危険性が最も高いのは『自分の上司は、部下である自分に全く関心を持っていないと感じる人』でした。
もし、あるマネジャーが『部下の発言に全く関心がなく、部下がどんな状態にあるか気にしない』と思われているとしたら、そのチームメンバーの40%以上は、職場に対して強い不満を感じ、自分の仕事に全く熱意が持てず、仕事に何らかの実害をもたらす可能性があります。
もしあるマネジャーが『部下に少し意識を向けている』もしくは『部下の弱みに意識が向いている』場合(つまり、まったく関心を持たないマネジャーより少しだけましな場合)、職場や仕事に不満を持つチームメンバーの割合は、22%にまで下がります。
逆に、マネジャーが『部下の強みに意識を向けている』人である場合、そのチームで職場に不満を持つ人の割合は全体の1%(100人に1人)まで下がります。」
40%と1%の違い!これはかなり大きいのではないでしょうか。
幸福度と業績は連動する!
同時にギャラップ社がこれまでに行った大規模調査は、従業員の幸福度や熱意と業績の関連も示しています。「仕事に対する熱意や幸福度が低い従業員は、チームの業績を急速にマイナス方向に引っ張る」
「『上司があなたを1人の人間として気遣ってくれていると思うか』という質問にイエスと答えた人たちには、以下の傾向があることがわかりました。
- 職場で業績を挙げている
- 質の高い仕事をする
- 体調が悪くなりにくい
- 転職をほとんどしない
- 職場で怪我をしない
ここまでの内容は主に上司と部下の関係性についてですが、こうした人間関係のポイントは職場全員に当てはまるといえるでしょう。
ギャラップ社の調査でも次のようなことが明らかになっています。
「職場に最高の友人と呼べる人がいますか?という質問に『はい』と答えた人は全体の30%でした。この30%の仕事へのエンゲージメントレベル(仕事の成果や顧客満足に対するコミットメント、仕事に対して常にベストを尽くそうとする強さ)は、『いいえ』と答えた人の7倍にも達しました。
(中略)
逆に、『職場に最高の友人がいない』社員が仕事に熱意を持って取り組み成果を出せる可能性は『職場に最高の友人がいる』社員の12分の1しかありません」
「職場に最高の友人と呼べる人がいることは重要ですが、たとえ友人同士でなくても、職場のだれかと会話を交わすなど、ほんの少し人間関係が強まる行動で生産性は大きく向上することもわかりました」
ここまでの内容にヒントを得て、私たちが具体的に何に取り組むべきかを検討してみましょう。