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これからどうなる?一生独身者の住宅選び 1(2ページ目)

前回の「シングルの新住宅双六(前編)」、「シングルの新住宅双六(中編)」の続き記事です。なぜ生涯未婚比率が高まるのか、その背景を知った上で、今回は、人口減少時代における「シングルの住宅双六」をみていきましょう。現在30代の単身者の新たな住宅双六。どのようなマスや選択があるのでしょうか。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

50歳になったら、常に前倒しで10年先のことを考えるようにする

ところで、シングルはパートナーがいないぶん、誰かに依存することなく、大きな決断を自分で下していかざるを得ません。特に定年以降の、人生の節目となる事柄については、先手を打って10年前倒しで熟慮し準備することが自衛手段となります。

なぜ、10年前倒しかというと、60歳を超えると、年々体力も気力も衰え、新しいことに挑戦したり、新しい環境に順応することが難しくなり、ずるずると現状を維持しがちです。それでは長い老後を豊かに生き抜くことはできません。たとえば、定年後にどこに住むかは、50代のころから意識的に考えておくべき重要事項です。そしてどこに住むか、は何をするかで決まります。大卒で就職し60歳まで働くとしたら、38年間の職業人生です。定年後、平均寿命をまっとうするとしたら女性の場合、30年間の新たな人生を、何をして生きていくのか、という具体的なイメージを持たなければただいたずらに時間を消費するだけの人生になってしまいます。

しかしながら何をするかは、おいそれと決められるものではありません。だからこそ、50代になったら、10年前倒しで、意識的に定年後は、仕事の延長線上の活動をするのか、仕事以外の社会活動や趣味を通して、次の人生何をやるかを、徐々に考え始めることが必要になってきます。そして仕事にまい進してきたがために、仕事以外にするコトを持っていない方は、この時期から社会活動や趣味をあえて始める必要があるのです。新しいことへの挑戦は若ければ若いほどやりやすいものです。

そして、60代になれば、一人暮らしが心細くなり始める75歳以降のことを、70代になれば、介護が必要になる85歳以降のことを、10年前倒しで検討しておきましょう。何も考えず、行動せずに、いざその時を迎えても、当事者である単身者は決断ができない状況に陥っていることが多いのですから。

シングルは、信頼できる相談相手や友人をつくることが大切

加えて、いざ、というときに何かと助けてくれる友人や信頼できる相談相手を、日頃から作っておくことも、長い人生を生き抜く上でとても大切です。学生時代の友人、職場の仲間、趣味の仲間等々と深い信頼関係を築いていくにはある程度の歳月を要します。年上、同じ年の友人だけではなく、年下の友人も積極的に作りましょう。年をとるほどに、年上、同じ年の友人は徐々にいなくなり、寂しくなってしまいます。

単身者が長い老後を生き抜くには、50代から趣味や活動など仕事以外にするコトを持つこと、信頼できる人間関係を築いておくことが、必須条件となってくるのです。

次のページでは、定年後~75歳を見ていきましょう。
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