ジョギング・マラソン/ジョギング・マラソン最新コラム

増えた大都市型マラソン大会とマラソンブームの行方は(3ページ目)

注目された関西4府県庁所在地と名古屋での市民マラソン応募状況。東京マラソンにひけをとらない人気です。まだまだ増えそうなマラソン愛好者ですが、一方東京マラソンの応募数は頭打ちの傾向が顕著に。日本のマラソンランナーはさらに増えるのでしょうか、それとも…。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

走りたい人は一度は走った?

東京マラソンはすでに5回の開催を数え、「一度は走りたい」と思っていたランナーのうちの多くの人が、取りあえず願いを叶えたのかも知れません。また首都圏ではフルマラソン予備軍の最初の掘り起こしがほぼ済んだとも考えられます。マラソンやランニングは、長所の多いスポーツでもありエクササイズですから、一過性のブームとして下火になることはないでしょうが、今後は過去4~5年のような大幅増はないと思います。
また、ランナー自身もランナーとしての成熟度を増してくるのではないでしょうか。ランニングや大会に慣れるにつれて、自己記録を追求したり、走る喜びを見出したり、仲間との交流に楽しみを見出したり、健康習慣として生活の中に定着したりと落ち着きが生まれてくると思います。

ランナーの要求レベルが高くなる

東京マラソンの成功に引っ張られて、定員数を増やしたり新設された大会にも今後は同様の傾向が生じると思います。ランナーの大会参加経験が豊富になり、しかもその経験が東京マラソンのようなレベルの経験ですから、ランナーのチェックも厳しくなります。参加者の高評価を得るためには、大会運営者はかなりの研究と対応が必要になるでしょう。このことはランナーにとって大いに歓迎すべきことです。中規模クラスの良い大会が増えれば、それがまたランナーの増加に結びつくことも考えられます。
しかし、対応しきれない中小規模の大会への評価は低くなるかもしれません。これからは小規模ながらも参加者の心を惹きつける個性的な魅力づくりが、これまで以上に要求されそうです。

東京マラソンをしのぐ魅力

「東京マラソンEXPO」ナショナルスポンサーを集められるのも大都市型だからこそ

「東京マラソンEXPO」ナショナルスポンサーを集められるのも大都市型ゆえのアドバンテージ

一方関西エリア&名古屋ではどうなるのでしょうか。いずれの大会も東京マラソン以上に観光要素化して人を呼ぶことを大きな目的に掲げています。昨年開始した奈良マラソンを見てもその点は徹底していたと思います。
名古屋ウィメンズマラソンに応募した埼玉県に住む女性は「東京マラソンに当たるかどうかわからないから名古屋ウィメンズマラソンに申し込んだ」と言っています。名古屋ウィメンズマラソンに受けつけられたので、東京マラソンにも応募したが、当選しても出ないつもりだそうです。関西エリア&名古屋の大会に、東京マラソンに互した魅力を感じているランナーは結構いるかもしれません。東京マラソン2012は二次抽選数が増えることになるかもしれませんね。

関西の他の大会の今後を占う

関西エリア&名古屋の今後を占うと、単純な応募者数の急増はないとは思うのですが、大会の数は多いので、毎年1大会ずつ完走を果たそうという目標を掲げ、毎年関西エリア&名古屋を訪れるといったランナーがかなりいるかもしれません。それこそ、関西リーグを結成した目標なのかもしれません。
この場合に割を食うのはこのエリアの他の大会です。大きな大会の人気によってランナーが増えれば、既存のフルマラソン大会は影響を受けても、トレーニング用に出場する10km~ハーフの大会応募者は増えると思いますが、関西の20~40代の方の意識がどうなのか興味あるところです。各大会応募者の居住地の分析から答えが出てきそうに思います。
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