西山逸成シェフによる昼食
料理の解説をする西山逸成シェフ
料理人出身、京都と新宿の人気店、ル・プチメックのオーナーシェフの西山逸成さんは昼食を担当しました。スープと山崎シェフのパンを用いた3品がお昼時、受講者を魅了しました。
左上から時計回りに、鴨胸肉のロースト、料理の仕上げ中の西山シェフ、フルム ダンベールとセロリのサラダ、桃のスープ
ランチプレート
スープは「京都産桃の冷たいスープ」。輸入の仔牛の骨と牛筋を10kgずつ湯がいて玉ネギを加え、8時間煮込んでとったゼラチン質の出汁で湯剥きした桃200個を炊き、漉したものに1割量の牛乳を混ぜた、とろりとのどごしのよいスープです。砂糖を加えていない自然の甘み。時間と手間が醸し出した旨味……と書くとなんだかおいしいバゲットの表現に似てきますね。
京都産桃の冷たいスープ(チャバタ)
フルムダンベールとセロリのサンドイッチ(バゲット ジェルミノーブ)
「フルムダンベールとセロリのサンドイッチ」はプチメックの人気商品でもあります。くるみ入りの細身のバゲット ジェルミノーブに挟んで、相性の良いものばかりを合わせた爽やかなサンドイッチに。
宮崎産アユのコンフィときゅうりのジュレ ミント風味を米粉のパンに
「宮崎産アユのコンフィときゅうりのジュレ ミント風味」は受講者を驚かせ、感動させたナンバーワンのサンドイッチだったようです。骨もワタもついたままのアユはオリーブオイル、タイムやローズマリーとともに90℃で7時間煮ているため、ふっくらと柔らかで頭から尻尾まで食べられます。キュウリとミントのふわりと軽やかなソースがよく合います。米粉のパンにはバジルペーストを塗って挟んでいます。
米粉のパン
山崎シェフによれば、米粉のパンに配合されている米粉は粉対比25%程度。糠臭くなりがちなので、ヨーグルトを配合して緩和しています。米粉にした分、グルテンが少なくなるのでミキシングを多めに、焼成は米粉の糖分で焦げやすいので気をつけることが大切なのだそうです。
フランス産鴨胸肉のロースト エピス風味、宮崎産アユのコンフィときゅうりのジ ュレ ミント風味(パン ミルティーユ)
「フランス鴨胸肉のロースト エピス風味」はブルーベリーのパンでタルティーヌに。サンドにしてしまうと、鴨の味わいが存分に楽しめないからだそうです。大切なのは素材の量や厚み、バランスなのです。
パン ミルティーユ
このブルーベリーのパン、生地には冷凍ブルーベリーとフランボワーズのピュレが練りこまれ、ドライブルーベリー、クランベリーも入っているフルーティなパンなので、鴨によく合います。
鴨はフォアグラ用の鴨を油を落としながらローストしてハチミツ、オリジナルのスパイス(シナモン、チリパウダー、クミン、ブラックペッパー、カルダモンなど)で風味をつけています。ソースもハチミツやシナモン、そして赤ワインビネガーを使用。仕上げに振る自家製オレンジパウダーがアクセントです。自家製オレンジパウダーはオレンジの皮を剥いて、シロップで炊いてから乾燥させ、粉末にしたものです。なんと手がかかっていることでしょうか。
どれも短時間で簡単にいただくのにはもったいないような、本格フレンチの一皿料理の味わいでした。