リーダーシップ/モチベーションアップさせるリーダーシップ

3つの動機付けタイプと部下操縦法(2ページ目)

動機付けには達成動機、親和動機、権力動機があります。リーダーとしてメンバーのタイプを見際め、タイプに応じた動機付けを行うことが組織の生産性を最大化するのです。これはアメリカの心理学者デイビッド・C・マクレランドが提唱したモチベーション理論の1つとして有名なものです。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド


権力動機(支配したい)タイプ

権力動機は、他者にインパクトを与え、影響力を行使しコントロールしたいという動機です。

権力動機が強い人は
  1. 責任を与えられることを楽しみ
  2. 他者から働きかけられるよりも、他者をコントロール下におき影響力を行使しようとし
  3. 競争が激しく、地位や身分を重視する状況を好み
  4. 効率的な成果よりも信望を得たり、他者に影響力を行使することにこだわる
という特性があります。

フラットな社会と言われる現代は横の繋がりの時代です。権力動機ような縦の繋がりは、上司と部下との専門技能の差が大きいフォーマルな組織では機能することでしょう。時々、技能や実績がないのに権力を発揮しようする人がいますが、最悪です。うまく統率することはできません。

この動機が強い人は権力を行使することには長けていますが、いわゆる調整役は向いていません。上司・部下という関係で見れば、部下で権力動機が強いタイプは社会的な部分-世のため、人のため、会社のためという視点が強く、正義感、使命感、責任感が強いので、頼もしく映ります。確固たる技能や実績を積み重ねれば、若い頃から幹部候補として位置づけられるタイプです。

このようなタイプには、権限を委譲し、使命感・責任感に訴えることが重要です。カジュアルな横のコミュニケーションよりも、フォーマルな縦のコミュニケーションを好みます。信頼して任せることが部下のハートに火を点けると考えて下さい。

その後、マクレランドは4番目の動機として、失敗や困難な状況を回避しようという回避動機という概念も追加し、4種類の動機説として提唱しています。

回避動機の高い人には、失敗をしたくないことから適切な目標をあえて避けることが求められます。無理な強制目標を与えることはモチベーションを下げる要因となるものです。目標設定は非常に重要なファクターと言えます。

以上のように、動機付けという視点から部下やメンバーを診て、組織を活性化させることはリーダーとして必要なことです。まずは部下のハートに火を点けるにはどんな動機付けタイプかを把握すること。タイプに応じた仕事の指示の仕方、モチベーションの上げ方を考えて、やる気の高い組織集団を創ることがリーダーとしての使命と言えます。

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