今回は、その第1弾として、ホリスティック&ヒーリングサロンを開業して5年目の新戸裕美さんにインタビューをしました。
ストレスが多い時代 お客様の状態に合ったケアを行いたい
ホリスティックヒーリングサロン オーク 新戸裕美さん
ガイド:
まずは、サロンのコンセプトや事業内容を教えてください。
新戸さん:
OAK(オーク)は、心身の健康と美容をテーマとしたセラピーを主とした心と身体のケアサロンです。ホリスティックヒーリングサロンというコンセプトで展開しています。
ホリスティックケアとは全体的とか包括的という意味で、香り、音楽、雰囲気、おもてなしの言葉、トリートメントなど五感全てからお客様におもてなしをしてケアするというものです。
心に歪みが起こったりバランスが崩れてくると、何らかの形になって身体に現われます。私は、心と身体をケアしたりバランスをとることを大切にしているので、セラピーを主としたトリートメントを取り入れています。
お客様の”個”を大事にし、決まったラインナップではなく、お客様の肌質、性質、その日の体調などお客様1人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドのケアをしています。
エステで勤務していた頃、「敷居が高い」「行きづらい」というエステのイメージを持っているお客様が多かった。そこで、エステというカテゴリーだけではなく、ストレスが多い時代にあった幅広いケアを行いたくて「ホリスティックケア」というコンセプトをつくりました。そして、心身のケアの大切さ伝えていきたく起業を決めました。
多くの方にホリスティックケアを体感いただけるよう、初回体験コースとして8,400円のメニューを2,940円に設定。外食1回分の料金で、気軽に体験していただけるようにしました。この企画は様々な反響を得ましたね。
起業までの道のり
ガイド:
かなり幅広いケア方法を習得されていますよね。起業前に習得されたのでしょうか。
新戸さん:
私の経験は、業界では10年、開業してからは5年になります。起業前の経験を元に、現在も様々な勉強をしています。まつ毛だけやネイルだけとか特化するというやり方もありますが、やはりホリスティックというコンセプトで、その方に対していろいろな角度からケアできるようにしたいということがあります。女性は欲張りですので、美容や健康など様々な要望があります。その要望や悩みに対応したいので、日々努力しています。
ご自身も常に進化しつつ、それとともに事業も成長している様子が伺えますね。もともと起業の夢をお持ちだったのですか?
新戸さん:
そうですね。大手エステに勤めていた頃から独立しようと決めていて、それに向けて何歳のときには何をやっていようという目標を立ててやってきました。
起業前に携わっていた美容業界やサービス業界はもちろんのこと、それ以外の業界でもとても大切な経験や出会いがありました。この時の経験があるからこそ、今まで夢を持って働き続けることができましたね。
立ち上げ時の苦労は資金繰り
内装にもコストを掛けて非日常的空間を演出
ガイド:
立ち上げ時に苦労された点を聞かせてください。
新戸さん:
開業時はなかなかお客様が来なかったことですね。そして、一番は資金繰りです。このようなサロンは、ベッドとオイルがあって自分がいれば始めることもできます。ただ、私は雰囲気もケアの重要な要素と考えています。非現実的な空間を提供することもリラクゼーションなので、内装費をかけてでも実現したかったということがあります。
ガイド:
なるほど。起業時の資金調達は重要ですよね。当初の開業資金はどのくらいかかりましたか?
新戸さん:
750万円です。
ガイド:
調達手段は日本政策金融公庫や自治体の創業融資などでしょうか。
新戸さん:
そうですね。融資を申し込んでから事業計画書を何度も提出し直したり、面談を何度もしたり、かなり大変な思いをしました。ただ、信念を貫く覚悟があったことで乗り越えられたのだと思います。
スタッフ増員のタイミングは?
ガイド:
当初はスタッフを入れず、ご自分だけでしたか?
新戸さん:
当初の3年間は1人でした。今はスタッフ2名を含めて3名体制となっています。
ガイド:
損益から考えても、起業後に初めてスタッフを採用するタイミングはとても難しいものですよね。スタッフを入れようと決断するタイミングはどのような時でしたか?
新戸さん:
開業3年目の一昨年は、お断りしたお客様が200名くらいとなってしまいました。当初はベッド1つのプライベートサロンでしたが、おかげさまでそのような状況になり、お断りするのもお客様に申し訳なく、改装してベッドを増やしスタッフの増員をしました。
サービスの質を重視
ガイド:
ぜひお伺いしたことがあります。仕事をする上で重視していることはありますか?
サービスの質ですね。利幅を上げようと思えば安いオイルを使うこともできるのですが、そのようなことはしていません。一流ホテルで経験をさせていただきましたので、独立するときには質にこだわりたかったということがあります。質が高いものを提供しつつ、料金とのバランスを取っていくことが重要だと考えています。