独立・起業をめざすみなさんに、ぜひ体験していただきたいことがあります。それは、フリーマーケット出店。どんな商品がお客さんを惹きつけ、どのくらいの価格なら売れるのか?そして、商品の効果的な並べ方は――?商売に必要な知恵を、身をもって学ぶことができるフリーマーケットこそはまさに「起業道場」と呼べるかもしれません。

というわけで今回はフリマにはまった挙句、なんと主催者として起業した大西昌已さんのケースをご紹介します!


Data 大西昌已さん(44歳)
父親の経営する学習塾で講師を務めていたが、平成9年より、フリーマーケット「なでしこふれあいマーケット」を主催。京都、奈良を中心に、3万人の登録者数を誇る大規模フリーマーケットを開催している。開催数は年間100回以上。



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●商売のいろはをフリマで学んだ!


フリマを始めたきっかけはなんだったのですか?

7年前のことです。ホームセンターで1株100円のパンジーに群がる主婦たちを目にしたのが、そもそものきっかけでした。「1粒の種を育てたら、100円の商品になるのか」と思った途端、むしょうに自分の手で試してみたくなったんです。

そこで実際に種を仕入れ、自宅の敷地で育てて、フリマで販売しました。結論は、「100円じゃ安すぎる」!手間ひまをかけ、時間をかけた挙句、100円ではまったく採算が合わないことが、やってみて初めてわかりました(笑)。


その後、フリマの常連に?

そうです。最初は家族ぐるみでピクニック感覚の出店を楽しんでいました。しかし、回を重ねるにつれ、売り上げアップの工夫をするように。やがて、「花だけではもたない」と考え、野菜を売ることを思いついたんです。

幸い自宅の周囲には、かなりの数の農家がありました。そこで、規格外の野菜を集め、おもに手作り品を扱うフリマで、販売し始めたわけです。これは大当たりでした。なにしろ農家直送の新鮮な野菜がスーパーの半額なのですから。当日はトラックが到着するやいなや周りに人垣ができる始末。商品は飛ぶように売れ、1日の売り上げは平均10万円ほどでした。もっとも、このうちほぼ半額を農家の方々に配分していたのですが。

生鮮野菜を扱ううえで、困ったことはありませんでしたか?

会場は野外だったので、雨天のときは開催が中止されてしまいます。そんなときは、しかたなく妻の実家の軒先を借りてガレージセールをしました。それでも大急ぎでチラシを配布し、宣伝するとお客さんは大勢来てくれましたよ。

リピーター客も増え、販売される日を心待ちにしてくれる主婦の方も多かったのですが、かえって供給量が追いつかず、途方に暮れることも。そんなときは、「野市」という地域の市に出かけ、競り落とした野菜を売りました。

それでも、アイデアと努力次第で手ごたえを感じられるフリマは、スリルと魅力にあふれていました。そんな調子で2年間というもの、野菜とフリマにどっぷりの生活を続けました。

次のページでは、巨大フリマに育て上げるまでの経緯をご紹介します