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安全に肉を食べるには?食肉の危険性と家庭での注意点(3ページ目)

近年食肉の生食による食中毒が増えていますが、提供する側だけでなく、私たち消費者もきちんと肉について知っておきたいものです。肉の食べ頃や温度管理など、家庭でも考えるべき食肉のポイントについてご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド


新鮮な肉は食べられない? 肉に必要な熟成期間

一般に収穫したての野菜は最も鮮度がよく、時間とともに鮮度も低下しますが、すべての食品がそうとは限りません。畜肉などは収穫後や食肉処理後に熟成させる必要があるのです。
食肉,食べ頃,硬直

 

牛、豚、鶏などは、死後その筋肉は収縮し、硬直していきます。その肉は硬いうえに風味もなく、とても食べられないほどです。その後、硬直がとけると、肉のタンパク質は、自己消化、つまり酵素の働きで少しずつ柔らかくなり、イノシン酸などのうまみ成分が増え、風味のあるおいしい食肉になります。この死後硬直・硬直解除・自己消化の過程を「熟成」と呼びます。

微生物の増殖を招くため、一般に冷蔵して熟成させます。食べ頃になるまでの時間は、表のように身体の大きさに比例し、鶏、豚、牛の順で長くなります。

体の小さい鶏は熟成期間が短く劣化が早いため新しさが要求されますが、牛や豚の場合、より柔らかさを出すために、長期熟成を行う方法もあります。

輸入牛肉は、−1℃前後で保存すると、約1カ月は質を損なわないので、この状態で市場に出すとチルドビーフと呼ばれます。また熟成する前に冷凍して長期保存するものはフローズンビーフ、熟成させてから冷凍するものはエイジドビーフと呼びます。

鶏を除けば、食肉は新しいものほどおいしいとはいえません。しかし、私たちがお店で購入する場合、店頭には熟成をした食べ頃の肉が並んでいますから、購入後はできるだけ早く食べた方がよいのです。

全国食肉事業協同組合連合会のサイトでは、お店の選び方やお肉の見分け方など紹介されているので、ご参考になさってください。

それでは最後のページでは、消費者である私たちにできる、より安全に肉を食べるために覚えておきたいポイントをご紹介します。

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