食と健康

「しっかり加熱」が逆効果!? 炊き立てごはんが食中毒リスクになることも……夏のお弁当の落とし穴

【管理栄養士が解説】「炊き立てごはん」も「しっかり加熱」も実は逆効果になることがあるってご存じでしたか? 良かれと思ってやっていることが、かえって危険を招くケースもあります。(※画像:Shutterstock.com)

平井 千里

平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養 ガイド

小田原短期大学食物栄養学科 教授。女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員。女子栄養大学大学院 博士課程修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。肥満と栄養摂取の関連について研究。前職は病院栄養科責任者(栄養相談も実施)。現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養情報を発信。

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Q. お弁当のおかず、しっかり加熱すれば食中毒の心配はないでしょうか?

お弁当作り
炊き立てごはんに、しっかりと加熱したおかず。実は食中毒リスクを高めているかも……

Q. 「毎朝、家族の分も含めてお弁当を作っています。蒸し暑い季節は食中毒が心配ですが、朝に炊いたごはんと、しっかりと加熱したおかずを使えば、食中毒の菌は死んでいるから安全でしょうか?」

A. 加熱は大切ですが、詰め方を間違えると食中毒リスクが高まることもあります

暑い季節になると、お弁当の食中毒が気になるという人は多いのではないでしょうか。「生野菜を入れると傷みやすい」「雑菌が増えやすいおかずを入れると危険」といった話を聞くと、お弁当作りそのものが不安になってしまうかもしれません。

しかし、衛生面のポイントさえしっかり押さえれば、過度に心配する必要はありません。お弁当作りの前にはまず手を洗うこと、調理器具やお弁当箱を清潔に洗って使うことが大前提です。あわせて、使う食材はきれいに洗い、切る・焼くなど作業が変わるタイミングでも手を洗いながら調理するという基本を守りましょう。

そのうえで、食中毒のリスクを上げてしまう3つの「NG行為」に注意が必要です。まず、よく「夏は生野菜をお弁当に入れない方がいい」といわれますが、実は危険なのは生野菜そのものではありません。洗った生野菜に付いた水分から雑菌が増えやすくなるのです。同様に、水分の多い煮物も水分活性が高く傷みやすいため、注意が必要です。

次に、「加熱すれば菌が死ぬから大丈夫」と火の力を過信するのも危険です。中までしっかり火が通っているかを確認することが大切で、卵などはトロトロ感を残さず中心までしっかり固めるよう加熱しましょう。

最後に、炊き立てのご飯や加熱直後の温かいおかずをそのままお弁当箱に詰めるのもNGです。良かれと思って熱いまま詰めてしまうと、お弁当箱の中に蒸気がこもり、かえって傷む原因になってしまいます。必ず冷ましてから詰めるようにしましょう。

  • 生野菜は洗った後、しっかり水分を切ってから詰める
  • 煮物は盛り付けカップを使い、他のおかずと接触させない
  • 加熱する際は中心部までしっかり火を通す
  • ハムやちくわなどの加工品も加熱してから詰めるとより安心
  • 炊き立てのご飯や調理直後のおかずは冷ましてから詰める
  • 調理済みの料理にはできるだけ素手で触れない(おにぎりはラップを使う)

食中毒を予防するためには、雑菌を「つけない」「ふやさない」「やっつける」という3原則を守ることが大切です。良かれと思ってやっていることが裏目に出ていないか見直すだけで、暑い季節でも安全でおいしいお弁当ライフを楽しむことができます。

さらに詳しく知りたい方は、「夏場の「雑菌弁当」にご用心!食中毒リスクが高くなる3つのNG調理」をあわせてご覧ください。

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