食と健康

水分補給だけではダメ!? 「熱中症になってしまった人」に多い意外な共通点……「朝食抜き」はリスク

【管理栄養士が回答】熱中症対策は水分・塩分補給をしっかりすれば十分だと思っていませんか? 実は「朝食抜き」の生活が、思わぬ形で脱水のリスクを高めてしまうようです。分かりやすく解説します。(※画像:Shutterstock.com)

平井 千里

平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養 ガイド

小田原短期大学食物栄養学科 教授。女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員。女子栄養大学大学院 博士課程修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。肥満と栄養摂取の関連について研究。前職は病院栄養科責任者(栄養相談も実施)。現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養情報を発信。

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Q. 同僚が30代なのに熱中症で搬送されました。できることはありますか?

熱中症対策に水分補給をする人
水分補給だけでは熱中症は予防できない? 意外な落とし穴とは

Q. 「同僚がまだ30代なのに熱中症で搬送されました。こまめに水を飲んでいたのに、突然具合が悪くなってしまったそうです。水分補給を十分にしていても、熱中症は防げないのでしょうか? 暑い時間帯になるべく外に出ないのが一番ということは分かっていますが、そうもいきません。何かいい予防法があれば知りたいです」 

A. 「朝食抜き」は熱中症リスクを高めます。しっかり食べて夏の体調を整えて!

熱中症対策というと、多くの人が水分補給を挙げると思います。しかし、水分をこまめにとっているつもりでも、熱中症になってしまうことがあります。意外な盲点として注意したいのが「朝食抜き」の生活です。

2026年4月に大正製薬が行った、工場や建設現場などの暑熱環境で働く20代~60代の263名を対象にした調査によると、約半数にあたる133人が「朝食を欠食する日がある」と回答したそうです。このうち約3割強にあたる47人が、「医療機関で熱中症と診断された、または熱中症と思われる症状を経験」していたことが分かりました。この数は、「毎日必ず朝食を食べる」と回答した29人と比較し、約1.6倍に相当します。朝食を食べないことは、命にもかかわる熱中症リスクを上げる行為なのです。

成人男性の場合、体の60%は水分で占められています。1日に体に出入りする水分量は、約2.5Lです。このうち、飲料水からの摂取は1200mL、代謝水が300mLですが、残りの1000mLは実は食品から摂取されているのです。

普段食べているごはんは、大体100gあたり60gが水分です。水分が少ないと感じるフランスパンでも、100gあたり30gの水分が含まれています。スイカのようなみずみずしい果物になると、100gあたり89.6gが水分というものもあります。普段の食事から、私たちは想像以上に多くの水分を摂取しているのです。

成人男性が食品からとる1000mLの水分を1日3食で割ると、1食あたり350mL弱です。つまり朝食を抜くと、それだけで350mL近くの水分をとらなかったことと同じ状態になってしまいます。起床後の最初の食事を抜けば、厳しい暑さの中で脱水に近付いてしまうのも無理はありません。

さらに、食品には調味料として塩分も含まれています。食事をとることで、水分と塩分を同時に補給できるという点も見逃せません。

  • 暑い日でも朝食を抜かず、水分と塩分を含む食事をとる
  • 食欲がない日は、バナナ1本など食べやすいものから始める
  • 朝食に加えて、日中もこまめな水分・塩分補給を続ける

暑い季節は朝から食欲がわかないという人もいるかもしれませんが、朝食は熱中症対策として大切な役割を果たしています。まずは食べられるものから、無理のない範囲で朝食習慣を身に付けて、暑い夏を健康的に乗り切りましょう。

さらに詳しく知りたい方は、「『朝食抜き』は熱中症リスクが上がり危険?熱中症対策に重要な朝ごはん」をあわせてご覧ください。

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