2年も長持ちする卵の保存食、ピータン
ここではちょっとユニークな保存食を紹介しましょう。まず1つ目が「ピータン」(皮蛋)。最近は日本でも見かける卵の保存食です。アヒルの卵に、塩・石灰・粘土などを塗り、もみがらをまぶして、カメなどの容器につめ、数ヶ月間保存します。すると、アルカリが内部にしみこんで卵白はゼリー状に、卵黄はゆで卵のように固まります。中国にはほかにも卵の保存食として、塩漬け卵「シェンタン」(鹹蛋)や粕漬け卵「ソウタン」(糟蛋)もあります。世界一臭い!? スウェーデンのシュールストレミング
保存食の味のバラエティを格段に広げた缶詰はフランス生まれ。ナポレオンの遠征時に食糧が不足していたため、政府が多額の賞金を用意し、保存食の新しいアイディアを募集したところ、ニコラ・アペール氏が瓶詰を考案したのがその始まりでした。缶詰には魚を使ったものが多く、イワシを発酵させた「アンチョビ」やイワシの油漬け「オイルサーディン」などがその一例。フィンランドなどの北極圏ではトナカイ肉の缶詰も見かけます。
世界一、匂いが強烈な缶詰といえば、スウェーデンの「シュールストレミング」が有名です。別名「地獄の缶詰」。ニシンを塩詰にして発酵させ、発酵が進んだところで缶に詰めたもので、通常の缶詰とのちがいは缶に詰めてからも発酵が続いていること。“必ず屋外で開けるように”、“何かを身にまとうように”といった注意書きがあることからも、いかにすさまじい匂いなのか想像できそうですね。
おかずにもお茶請けにもなるミャンマーの食べるお茶
ミャンマーの山間部では、食べるお茶こと「ラペソウ」という保存食があります。茶葉を蒸してよくもみ、発酵したら乾燥させて完成。ゴハンのおかずにもなれば、お茶請けにもなるし、野菜などと混ぜて料理にしたり、何かと使える万能選手です。ちなみに紅茶やウーロン茶も緑茶を発酵させたものですが(ウーロン茶は半発酵)、これらは酸化酵素の働きによるもの。ラペトウは乳酸菌による発酵です。<世界の保存食>
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