ドイツの冬の保存食、ソーセージ
肉の保存食も多彩です。ドイツといえば、1,500種類ものソーセージがあるソーセージ大国。地方ごとのご当地ソーセージも豊富です。ソーセージとは牛・豚・羊などのひき肉に、塩やコショウ、スパイスを混ぜて、腸に詰めたもの。冬の寒さの厳しいドイツでは、ソーセージは古くから大切な保存食のひとつでした。ドイツではソーセージのことを「ヴルスト」といいます。フランクフルトの「フランクフルター・ヴルスト」(いわゆるフランクフルトソーセージ)、ミュンヘンの白ソーセージ「ヴァイスヴルスト」など、おなじみのソーセージはいずれもブリューヴルストです。
ソーセージとサラミの違い
サラミはイタリア生まれの豚肉の保存食。ひき肉に塩やスパイスをまぜ、豚の腸に詰め、乾燥させて作ります。ソーセージとの違いは乾燥させるところ。サラミはイタリア語では「サラーメ」。肉の種類や使うスパイスによって、いろいろな種類があります。南部にはトウガラシを使ったものも多く、ピリリとした刺激にワインも進みます。
世界3大生ハムとは?
ハムはソーセージとちがい、ひき肉ではなく、肉をかたまりのまま塩漬けにしたあと乾燥させ、加熱したり、燻製にしたりするもの。多くは豚肉です。加熱しないものは「生ハム」と呼ばれ、スペインの「ハモン・セラーノ」は日本でも人気。なかでも、有名なのはイベリコ豚の「ハモン・イベリコ」でしょう。イベリコ豚にもランクがあり、ドングリだけを食べて育った「ベジョータ」が最高峰です。ちなみに世界3大生ハムとしては、スペインのハモン・セラーノ、イタリアはパルマ産のプロシュート(プロシュート・ディ・パルマ、またはパルマハムと呼ばれる)、中国浙江省の金華地区で作られる金華ハム(金華火腿)が挙げられることが多いようです。このうち金華ハムは生で食べるのではなく、加熱したり、ダシをとったりして使います。
プティサレ、パンチェッタ、ベーコン
豚バラ肉の塩漬けはフランスでは「プティサレ」、イタリアでは「パンチェッタ」と呼ばれ、フランスのラングドック地方の名物料理「カスレ」にも使われます。また、豚バラ肉を塩漬けにしたあと燻製したものが「ベーコン」であることから、パンチェッタなどは生ベーコンと呼ばれることもあります。<世界の保存食>
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