栄養管理/栄養管理の基礎知識・食事バランスガイド

避難生活・非常時の低栄養・栄養不足を予防する方法(2ページ目)

長引く避難生活で懸念される食事量、栄養。体型や年齢に関係なく、低栄養や栄養不足は全ての人に起こる可能性があります。心や体の元気を守るためにも、低栄養・栄養不足を予防する方法を管理栄養士の視点でお伝えします。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

十分に栄養が摂取できる環境でも、食欲が低下すると低栄養・栄養不足につながります。ズボンやスカートなどがゆるくなったら体重が落ちている証拠であり要注意。

食欲不振・食べる量が低下する原因と解決法
 

水分

水分を控えないで!

■ 便秘
水分・食物繊維・運動不足により便秘になりやすくなります。便秘は食欲低下の原因になることもあります。高齢者では便秘予防が特に重要になりますので、周りの人が水分摂取を勧めたり、トイレに行ったり体を動かしやすい環境をつくる必要があります。

■ ストレス
様々なストレスから十分に食事が摂れない人もいるはずです。精神的な理由で食欲が低下する場合、孤食を避けてみんなで食事すると食欲が改善する場合もあります。食事をする場所を別に設置し、顔見知りの人と食事が出来る環境を整えるなど、工夫をして声を掛け合って食事をするのもよいでしょう。

■ 噛む力
入れ歯がない人、入れ歯があわない人、口の中が痛む人では、食欲が低下する場合があります。体重が減ると入れ歯があわなくなることもあります。まずは体重が減らないように十分な食事の確保が大切です。入れ歯がなくても歯茎の状態によっては普通の食事で大丈夫な場合もありますので個人差がある事は知っておきたいところです。口の中のケアはとても大切です。問題があれば医療関係者に相談しましょう。

■ 飲み込みの問題
食べ方や食べ物の硬さなどに工夫が必要な場合があります。食事をしてる時や飲み物を飲んでいる時に、むせたり、ゴロゴロと音がする時など(微量の水分でうがいをしたような音)は要注意です。うまく飲み込めないと食欲が低下するだけではなく、誤嚥(肺に食べ物や飲み物が入る)が原因となり深刻な症状に陥ることがあります。特に音がしなくても誤嚥が発生している場合もありますが、飲み込み時に様子がおかしい人がいる場合は医療関係者に伝えるようにしましょう。治療や特別な措置が必要なこともあります。

みんなで協力しあって、食事・栄養による二次災害を防ぎましょう!
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