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ウイスキー&バー/初心者のためのウイスキー入門記事

ウイスキー用語3/ショット[入門編]

久々の入門篇。今回はショットという言葉を取り上げる。これはかなり前に少なからず質問をいただいていたもので、ショットとは、ショットの液量は、国によって液量は異なるのかなど、お答えしてみた。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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国によって異なる一杯

ワン・ショット

これがワン・ショット

まず、東日本大震災に遭われた被災地の皆さま方に心よりお見舞い申し上げます。また被災地の皆さま方に、こころ安らかに過ごせる日が一日でも早く訪れることを願います。ささやかながら東京の地より、多くの人たちと手を携えながら支援をおこなってまいります。

さて、今回の記事は液量単位。ウイスキーをはじめアルコール度数の高い酒に関して、一杯をワン・ショットという。アメリカではじまった表現だが、このぶっそうな言い方は、「強い酒を一発やるか」、つまり「強いのを一杯」の意味合いが転じていって、いつのまにか一杯分を示すようになった。
ところがワン・ショットに明確な規定量があるかというと、これがまちまちで説明するとなると面倒臭い。アメリカでは1オンス(約30ml)、スプーン大さじ2杯分くらいの量、30mlが標準的だ。ただジガー(jigger)という液量単位があり、ワン・ジガー45mlをワン・ショットとして注ぐ店も多々ある。

イギリスとなるとまた事情が違う。ショットの表現は1930年代にイギリスにも伝わり広まったといわれているが、イングランドとスコットランドでは液量が異なるようだ。
イングランドではワン・ショットは45mlが標準的。じゃあワン・ジガーなんだ、と早合点してはいけない。イギリスのワン・ジガーは60mlだし、ジガーという言葉は、現在のイギリスではほとんど使われていない。
スコットランドではワン・ショット60mlの場合が多い。ウイスキーの量にケチケチしないということなのだろう。アイルランドはもっと太っ腹で、75mlを注ぐ店が多いと聞く。
 

日本は30mlが一般的

日本でワン・ショットというと30mlが標準的。これは戦後の洋酒ブームを牽引したトリスバーが、アメリカの1オンス(進駐軍の影響もあったと思う)にならい、一般化したようだ。
とはいっても、さまざまなバーを飲み歩いていらっしゃる方ならばおわかりだろうが、店によってワン・ショットの量はいろいろだ。きっちり30mlを出す店は多いが、それでも45ml、あるいは50ml強をグラスに注ぐ店も随分とある。
つまりバーテンダーの匙加減、また経営方針の違いなのである。

もうひとつ、シングルとかダブルといった用語も存在する。シングルはワン・ショットの量であり、ダブルはその2倍ということだが、これこそ明確な液量はいえない。だから小説の中に「ウイスキー、ダブルで」なんて書かれていた場合は、通常の30mlの2倍はあり、最低60ml、それ以上を飲みたがっていると思えばいい。まあ、液量がいくらか、というよりも、たっぷり飲みたい、ってことを暗示しているのだ。
 

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