人を後押しする話の聞き方
コーチングで使うコミュニケーションは、相手が目的をいち早く達成するために使われます。そこで、この状況下で「達成したいことを明確にしそこに向かわせる」ことに活用できるコミュニケーションのスキルを以下にご紹介します。話を聞く際にはその目的を理解する
効果的に話を聞くことは人を後押しする
もし、そんな人が周りにいたら、懸念ごとを話してもらうことです。行動を促す上で有効なのは、相手の話を聞くこと。話を聞いてほしい、と言われたら、あなたはどうしますか? 話を聞くときは、次のことをしなければならないと自動的に誤解してしまうことがあります。
- 何か解決策を示さなければならない
- 同情や共感をしなければならない
- なんらかの評価を示さなければならない
相手を後押しする聞き方
仕事に大きな影響が出ている人や新たなプロジェクトを率いたり、リーダーシップを発揮する立場の人は、メンバーとのコミュニケーションに注意してください。メンバーの中には、これからやろうとすることを整理するために話したいと思っている人もいるはずです。そのために効果的な話の聞き方を実践しましょう。以下はそのポイントです。1.少しでもいいので時間をとる話を聞く
行動を起こそうとしても何か止まっていたり、少しでも躊躇している人がいたら、そのことについて話すことを促しましょう。相手も長々と話をしたいわけではありません。たった3分でも、話すことによって考えが整理されるものです。
- 「何か話したいことがあったら、ほんの短い時間でも聞きますからいつでも言ってください」
- 「今何か気になっていることはある?」
2.結論は本人が出す
たとえ相手が「解決策を出したい」「何かヒントがほしい」といってきたとしても、結論は本人が出すものです。
- 「こうすればいいんじゃない」
- 「こうしたほうがいいと思う」
「私はこう取り組むけど、これは参考になりますか?」「私だったらこうやりますが、あなたはどうしますか?」とあくまでも最後の決断は本人に持たせると行動しやすくなります。あくまでも選択するのは本人。結論をこちらから与えるのではなく、相手が出すのを待ちましょう。
3.「今」何ができるかを聞く
不安定な状況が続くとこれから先どうなってしまうだろう、と考えがちです。しかし私たちが実際に手をつけられるのは「今できること」。ですから、たとえ先の話をしたい、ということであっても最後はこのように聞きましょう。
- 「そのために、今は何ができますか?」
- 「今は何から取り組みますか?」
相手が困難な状況にいると、同情しなければならないと思いがち。しかし、大切なのは、相手が「聞いてもらっている」という実感を持つことです。そのためには、「聞いている」ということを示すサインを出すといいでしょう。
- 「うんうん」「そうなんだ」「それで」と相槌をうつ
- 相手の言葉を繰り返す。「○○と言ってるようように聞こえるけどそう?」、「つまりあなたが言っているのは、○○ということ?」
5.目的が達成されているかをチェックする
最初に「どんなことが話せるといい?」「話し終わったときにどうなってるといいですか?」と聞いたときの答えを覚えておき、常にそことの関係を意識しながら話を聞きましょう。場合によっては、話がずれることもありますが、「この話は、さっきの目的を達成する上でどのように関係している?」「この話は続けたほうがいい?」など、チェックしましょう。
また最後に
- 「話したかったこと話せましたか?」
- 「目的は達成されましたか?」
- 「何がはっきりしましたか?」
今は特にいち早い復興が求められます。懸念事項や解決したいことはないかに気を配り、いち早く行動に移すことが、今最も必要とされていることです。